2020年2月7日、中共肺炎の影響で人の姿が消えた北京市内(AFP/Getty Images)

中国、主要経済指標が2桁マイナス、専門家「V字型回復ない」=英FT

中共肺炎(武漢肺炎とも呼ぶ)COVID-19の発生源である中国の国家統計局は3月16日、2020年1~2月の主要経済統計を発表した。各統計は軒並み悪化し、統計開始から初めてのマイナスとなったことがわかった。英メディアによると、一部の専門家は、1~2月期の中国国内総生産(GDP)が大幅に縮小し、今後の先行きについて悲観的な見方を示した。

中国当局の公表では、1~2月の社会消費品小売総額は前年同期比20.5%減少した。工業生産は前年同期比13.5%減となった。また、固定資産投資は前年同期比24.5%減だった。

経済成長の主要けん引力である投資、消費、輸出の統計数値が2桁のマイナスになったことから、中国経済は武漢肺炎による壊滅的な打撃を受けたことが浮き彫りになった。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)16日付によれば、エコノミストらは、中国国内企業の稼働再開は本格化しておらず、サプライチェーンの混乱が続く上、欧米各国での感染拡大による外需の著しい低迷で、3月、4月の中国の経済指標はさらに悪化すると指摘した。

英市場調査会社キャピタル・エコノミクス(Capital Economics)は3月16日に公開したレポートにおいて、中国当局が発表した1~2月の工業生産統計とサービス業生産統計を合わせて試算した結果、同期中国のGDPは13%縮小したとの見解を示した。同社は、中共肺炎による中国経済への影響は「金融危機の時よりもはるかに深刻だ」とした。

FTの報道によると、独金融大手コメルツ銀行のエコノミストは「ウイルスが世界中に拡散しているため、中国経済のV字型回復は見込めそうもない」と述べた。同紙は、1~2月主要経済指標の歴史的な落ち込みは、2020年中国経済停滞の前兆であるとみた。

エコノミストらは中国の失業率にも注目した。当局の発表では、1~2月の失業率は過去最高の6.2%に達した。数カ月後、中国では新たに800万人以上の大学生が卒業を迎えるため、雇用の圧力が強まっている。

(翻訳編集・張哲)

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