EU、入域制限で合意 伊首相「社会・経済的津波」に危機感

[ブリュッセル/ローマ 18日 ロイター] – 欧州連合(EU)の首脳は17日、新型コロナウイルスの感染拡大阻止に向け、域外からの入域を制限することを決定した。イタリアのコンテ首相は、新型ウイルスが「社会・経済的な津波」を引き起こしていると危機感を示した。

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、加盟27カ国首脳とのテレビ会議終了後、「市民を守り、EUの経済を守るため、全力を尽くさなければならない」と述べ、「すべての必要な措置を講じる用意がある。状況の変化に応じて追加の措置をとることをためらわない」と強調した。

イタリアのコンテ首相は、「津波」の影響を受けない国はないと警鐘を鳴らした。

イタリア政府筋によると、コンテ氏は、加盟国が緊急の医療・経済対策の資金を確保できるよう、欧州が保証する「コロナウイルス債」の導入を呼び掛けた。

イタリアはこれまで危機が発生した時に何度か、EU全体としての資金調達を呼びかけたことがあるが、大抵は欧州の盟主・ドイツの反対にあっている。

ドイツのメルケル首相はコンテ氏の提案について質問されると、ユーロ圏各国の財務相は経済への打撃を回避するための策を今後も議論するが、まだ何も決定していないとコメントした。

メルケル氏は「ドイツが引き続き(議論に)参加できるようショルツ独財務相と話し合う。ただ、この件でまだ何も結論は出ていない」と述べるにとどめた。

 

EU首脳はこの日の会議で、大半の国で域外からの入域を30日間制限するとともに、医薬品や食料の輸送用に優先レーンを設けることを決定した。

1月にEUを離脱した英国はこの措置に加わらないため、同国との間で開かれた国境を維持する義務のあるアイルランドも参加しない。

外交筋によると、欧州委は加盟国に対し、危機はまだ始まりにすぎないと警告し、ドイツは「数週間ではなく数カ月続く」との見方を示した。

欧州では新型ウイルスの感染拡大に伴い、各国が独自に国境管理や医療機器の輸出制限などに動き、結束した対応を打ち出すのに苦慮している。

あるEU外国筋は、域外からの入域制限について「各国に対し欧州内部の国境管理を解除するよう説得する狙いがあったが、実際に解除に動く国が出るとは考えにくい」と語った。

実際、ポルトガルとスペインは17日、欧州域内からの入国を制限する措置を導入したことをEUに通知。そうした措置を採った国は少なくとも12カ国に上っている。

*内容を追加しました。

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