米上院議員、原油価格競争巡りサウジとロシアに圧力

[ワシントン 18日 ロイター] – 米上院の複数議員は18日、原油の大幅下落につながっている価格戦争を止めるよう主要産油国のサウジアラビアとロシアへの圧力を強めた。議員らは、トランプ米大統領への書簡で両国からの原油輸入を禁止するよう求めたほか、駐米サウジ大使と原油市場についての協議を行った。

新型コロナウイルスの感染が全世界に拡大するなか、各国のウイルス封じ込め策により原油需要は落ち込み、原油価格は18日、18年ぶり安値をつけた。

協調減産協議で決裂したロシアとサウジによるシェア争いも、原油安に拍車をかけている。

米議会では、ロシアとサウジが生産コストの高い米国のシェールオイル企業を標的にしているとの批判も出ている。

石油資源が豊富なノースダコタ州選出のケビン・クレイマー上院議員(共和党)はトランプ氏に宛てた書簡で「残念なことに、ロシアによる嫌がらせのような戦略があたりまえのようになっている。ただ、われわれとの関係が近い戦略的パートナーのサウジアラビアの行動は、特に懸念事項だ」と伝えた。ロイターが書簡のコピーを入手した。

クレイマー氏は書簡で、ロシアやサウジに加えて、イラクなどの他の石油輸出国機構(OPEC)加盟国からの原油輸入を禁止するようトランプ氏に求めた。

クレイマー氏は、他の共和党議員9人とともに18日、リーマ・ビント・バンダル駐米サウジ大使と電話会談を行い、原油の過剰供給をサウジが止めるよう説得に動いた。

電話会談に参加したホーベン上院議員は声明で「新型コロナウイルスによる厳しい状況下で、極めて重要な業界で米国が長期的な生産能力を失うことがないよう、石油市場を安定させることが必要だ」との見方を示した。

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