デンマーク中銀が15bp利上げ、クローネ安阻止で他国と逆行

[コペンハーゲン 19日 ロイター] – デンマーク中央銀行は19日、主要政策金利を15ベーシスポイント(bp)引き上げ、マイナス0.60%とした。新型コロナウイルスの感染拡大を受け各国中央銀行が利下げに動く中、デンマーク中銀は自国通貨に対する下向き圧力を軽減するため利上げを決定した。

中銀はデンマーククローネの対ユーロ相場を安定的に保つために過去5カ月にわたり外国為替市場に断続的に介入。中銀はこの日の決定について、利上げはクローネ相場を安定的に保つための市場介入に続く措置だったと説明した。

ただ利上げを受けてもクローネ<EURDKK=>は1ユーロ=7.473クローネとほとんど動かなかった。

デンマーク中銀はユーロに連動するデンマーククローネの安全資産としての需要を抑制するために2012年にマイナス金利政策を導入。これまでの金利水準のマイナス0.75%は先進国の中ではスイスと並び最低水準だった。

ダンスケ銀行の首席エコノミスト、ラス・オルセン氏は「クローネは対ユーロで長期間にわたり下落しており、このところの金融市場の動乱でクローネに対する下向き圧力が増大した。中銀は利上げをもってこれに対応した」と述べた。

Arbejdernes Landsbankの首席エコノミスト、ジュール・ボーレ氏は「他の中銀が新型ウイルスの感染拡大への対応で利下げを行っている時に利上げに動くことは逆説的に見えるが、利上げによりクローネ相場に対する圧力が軽減し、金融政策をそれほど引き締めなくてもよくなる」と述べた。

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