豪中銀、29億ドルの国債購入 量的緩和策初日

[シドニー 20日 ロイター] – オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は20日、前日発表した量的緩和策(QE)に基づき、導入初日に総額50億豪ドル(28億7000万米ドル)の国債を購入した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済的な打撃の緩和を目指す。

中銀は19日、オフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.25%に引き下げるとともに、3年物国債利回りを低水準に維持するため「あらゆる必要な措置」を講じると表明。国債買い入れの目標額やタイミングは定めず、市場の状況と価格次第と説明した。[nL4N2BC1JG]

中銀は20日朝、償還までの残存期間が2─8年の国債を買い入れると発表。これを受け、豪10年債利回り<AU10YT=RR>は約1.3%から1.17%に低下。3年債利回り<AU3YT=RR>も、前日公表した目標(0.25%)にそう遠くない0.3%に低下した。

FIIGの首席投資ストラテジスト、ジョナサン・シェリダン氏は「政府も中銀も、資金繰りに苦慮する銀行が出てくるのは望まないだろう」とし、「中銀は流動性の問題を十分に認識している。このため、イールドカーブコントロールを通じて無制限の国債を買い入れる方針だ」と述べた。

さらに「政府は財政政策で応える必要がある。中銀が利回りを0.25%に維持するため短期債を購入できるよう、政府は国債を増発する必要がある」と指摘した。

豪中銀は、短期金融市場のドル資金ひっ迫を和らげるため、米連邦準備理事会(FRB)と通貨スワップ協定も結んだ。[nL4N2BC4FC]

RBCのマネジングディレクター、スリン・オン氏は「必要となれば他の手段も含め、追加措置に扉が開かれている」と語った。

*内容を追加しました。

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