弥勒菩薩が微笑む本当の理由

数百年前に造られたといわれる弥勒菩薩(みろくぼさつ)の彫像が、長年にわたり修繕されないまま、お寺に放置されていた。保存状態が悪く、壊れた部分が多かったので、お寺の僧侶たちは大工に彫像の修復を依頼した。大工たちがさっそく彫像の腹部を解体し、補強作業を始めようとすると、驚くような光景が彼らの目に映った。彫像の大きなお腹の中には、老若男女の陶で出来た人形が12体も収められていたからだ。

弥勒菩薩を参拝する人は、菩薩の持つ高貴な微笑みと、その偉大さに圧倒される。弥勒菩薩に関する漢詩は、次のように謳っている。「大肚能容容天下難容之事、笑口常開笑天下可笑之人」(その大きなお腹は、受け入れ難いこともすべて受け入れることが出来る。常に笑顔で世間のおかしい人を笑う)。弥勒菩薩の大きなお腹と微笑みは、楽観的で包容的な精神を表現しているという。弥勒菩薩が常に微笑んでいる本当の意味を知る人が、世の中にどれくらいいるだろうか?

心から他人のことを先に考え、身内にも気を配り、衆生済度を願うのは慈悲の表れであり、高尚な心の境地である。人生の価値と本当の幸せは、ただ個人的な自己満足と利益を得ることではない。他の人にまず幸福と愛を与え、社会に奉仕すべきであるという意味の対句がある。「先天下之憂而憂、後天下之楽而楽」(天下の人々より先に憂い、天下の人々の後に楽しむ)。それが、本来人間の持つべき幸福の姿なのだ。

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