<中共ウイルス>湖北省宜昌市職員、「感染を隠ぺい」と同省提訴

中国湖北省宜昌市職員の譚軍さんは4月13日、湖北省政府を相手に同市西陵区人民法院(地裁)で訴訟を起こした。譚さんは、湖北省政府は中共ウイルス新型コロナウイルス)の感染情報を隠ぺいし、市民に多大な損失をもたらしたとし、「この責任を負うべきだ」と訴えた。同氏は、中共ウイルスのまん延をめぐって、中国国内で政府当局を提訴した初めての市民だ。

譚さんは大紀元の取材に応じた際、湖北省政府と武漢市政府はいち早く、ウイルスの人から人への感染の情報を掴んだにもかかわらず、対応しなかったと非難した。「湖北省衛生健康委員会が2020年1月11日に発表した通知と、国家監察委員会が3月19日に公開した『李文亮医師に関する調査通報』がその証拠だ」と同氏は話した。

湖北省衛生健康委員会の1月の通知では、医療従事者の間で人から人への感染は見つかっていないと主張した。これに対して、国家監察委員会の調査報告では、「2019年12月、新型コロナウイルスの人から人への感染が発見された」とした。

譚さんは13日午前、西陵区人民法院に訴状を提出した。同日の夕方ごろ、同区警察当局に呼び出された。警察当局の国保(国内安全保衛)部門担当者は、譚さんに対して、ネット上で起訴に関する資料、写真などを掲載しないよう要求し、承諾書を書かせた。また、担当者は「海外メディアは中国に友好的ではない」と話し、海外メディアの取材を受けないよう指示した。しかし、担当者は「法的プロセスに従い起訴してもよい」と言ったという。

譚さんは、「私が集めた証拠はみな、政府が発表した公式文書だ。私が捏造したものではない。それでも、警察当局は恐れている」と語った。

西陵区人民法院の担当者は、譚さんの訴状を受け取った後、同地裁は案件を審理する権限がないとして、同地裁より1つ等級が上の「武漢市中級人民法院で訴訟を起こすように」と伝えた。譚さんは15日午後、訴状を武漢市中級人民法院に送付した。

譚さんは宜昌市職員で、市児童公園管理処に勤務する。湖北省政府を起訴した理由について、「感染者が報告されたにも関わらず、政府は1月に4万世帯が参加する大宴会を中止しなかった。しかも、1月11、12日に武漢市で省の両会(人民代表大会と政治協商会議)を開催した。これは感染が爆発的に拡大する時期にもかかわらず、意図的に隠ぺいしていた」「今、国内で湖北省の住民は差別され、さらに暴行されたとも聞いている。同じ湖北省の人間として、心が痛む」と話した。

「省政府はこの状況に責任を負うべきだ。湖北省の住民として、私は立ち上がり、訴える義務がある」

譚さんは、省政府に対して、2つのことを求める。1つ目は、省政府が地元紙・湖北日報で謝罪文を掲載すること。2つ目は起訴費用を全額負担することだ。

「武漢市中級人民法院が審理しなければ、さらに上の裁判所に訴状を提出する」

(記者・洪寧/江楓、翻訳編集・張哲)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。