【漢方の世界】 不妊症(一)
自然の理には背かない
代理母に代理出産、人工授精など不妊にまつわる言葉がちまたにあふれている。不妊に悩む人がどれほど多いのか、そしてその悩みがどれほど切実なのかを物語っている。しかし、本当に不思議なものだ。現在、先進国の衛生状態や栄養状態は高い水準に達しており、医学も飛躍的な発展を遂げた。しかし、なぜ不妊症で悩む人が増えているのだろうか。
胡先生はこう解釈する。「発展を遂げた現代社会こそ、かえって妊娠を難しくしている」。つまり、様々な科学技術が発展したおかげで、人々は自然の流れにそわなくても生活できるようになった。酷暑の夏、クーラーで強烈に冷やされた部屋で汗一つかかない。闇が深くなっても煌々とした明かりをつければ、徹夜で仕事や勉強ができる。ビニールハウスを用いれば、季節を問わずどんな野菜も果物もできる。高カロリーの餌を与え続ければ、霜降り肉の家畜を育てられる。例を挙げればきりがないが、人はもう自然の理にそって生活を営まなくても可能になった・・・かのように見える。
しかし、その結果、人は健康で幸せになったのだろうか。不妊症が増加の一途をたどっているようだが、この自然に背いた発展と関係があるのではないだろうか。自然の理に反することばかりしていれば、人の体も本来あるべき状態からますます離れていくのではないだろうか。
関連記事
SNSの利用を1日30分に減らすと、1週間で抑うつや不安、不眠が改善する可能性が研究で示唆。若者のメンタルヘルスとスクリーン習慣の関係を解説。
進行が速く「がんの王」とも呼ばれる小細胞肺がん。それでも転移を繰り返しながら長期生存した例があります。免疫療法や最新検査ctDNAの可能性、見逃せない症状と予防のポイントを医師が解説します。
「食物繊維を増やせば大丈夫」は本当?75件超の臨床試験から見えた、便秘改善に有望な食品とサプリとは。キウイやマグネシウム水など、根拠に基づく最新対策をわかりやすく解説します。
離婚率が高まる今こそ見直したい、古典が教える夫婦円満の知恵。「陰陽の調和」や「琴瑟相和す」に込められた意味をひもとき、現代の結婚生活に生かすヒントを探ります。
忘れっぽさは年齢のせいだけではないかもしれません。脳には「夜の清掃システム」があり、睡眠や食事、運動でその働きを高められる可能性があります。アルツハイマー予防につながる最新知見と具体策を解説します。