オーストラリア、新型コロナ追跡アプリ導入 一部の州は規制緩和

[メルボルン 26日 ロイター] – オーストラリア政府は26日、新型コロナウイルスの追跡アプリを導入するとともに、アプリが入手する個人情報を保護する法律を制定する方針を表明した。

同国は医療体制に負担がかかる前に新型コロナの感染拡大を抑制しているものの、再び感染が急増するリスクを懸念している。

ハント保健相は、追跡アプリ導入に関するテレビ会見で「われわれは(新型コロナに)勝利しつつあるが、まだ勝ってはいない」と述べた。

同アプリは、シンガポールのソフトウエア「トレース・トゥギャザー」に基づいており、ブルートゥースのシグナルを利用して人と人が近距離で接触した際の記録を取る。人権擁護団体からはプライバシーの侵害だとの批判が出ている。

アプリのダウンロードは任意で、政府は効果を得るために少なくとも人口の40%が参加することを望んでいる。

アプリは位置情報を入手せず、安全という。保健当局者はアプリが追跡した接触データから、感染者と接触した可能性のある人の追跡が可能になる。

ハント氏はアプリについて「正常な状況とオーストラリアの生活スタイルを取り戻すのに役立つ」とし、「本人を含め誰もアクセスできない。アクセスできるのは州の保健当局者のみだ」と語った。

保健省は26日、アプリのウェブサイトで、保健当局者にアクセスを制限するための法的な指令が5月に議会に提案されると明らかにした。

新型コロナの感染拡大は隣国ニュージーランドでも抑制されており、世論調査では新型コロナ感染症が流行し始めて以降、両国の政府への国民の信頼感が高まっている。

両国はともに新規感染者の増加率が2週間にわたって1%未満にとどまっている。

オーストラリアのクイーンズランド州と西オーストラリア州は26日、今週から屋外で集まれる人の数を増やすなど、社会的距離を確保する規則をやや緩和する方針を示した。一方、人口が2番目に多いビクトリア州は厳しい制限措置を緩和する用意はないとした。

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