分相応

友人の親戚の妻は、生まれてから自分の足のサイズに合う靴を履いたことがなく、いつも大きすぎる靴を履いて歩いていた。

 子供たちが彼女に靴のことを聞くと、彼女はいつも「大きいサイズも小さいサイズも同じ値段なら、なぜ大きいほうを買わないの?」と答えた。

 私がこの話をすると、いつも大笑いする人がいる。

 日々の生活の中でも、自分に合わない大きな靴を履きたがる人がいる。大した主義主張もない作家が、いつも暗いストーリーを書きたがる。大した才能もない画家は、いつも超大型の絵画を描きたがる。いつも家に帰らない政治家や社長が、大豪邸を持っている。

 多くの人は大きさを求めたがるが、実は貪欲な心にかられているだけである。ひたすら特大サイズの靴を捜し求めるが、自分の足の大きさを忘れているのだ。

 小さいものには小さいものの良いところがある。その良さはうまく言えないが、例えば故宮博物館の国宝「象牙球」、「翠玉白菜」、「肉形石」などの小さく精巧につくられた作品が、私たちを大いに感動させることがあるということだ。

 もちろん、どんな靴を買おうと、足に合うことが一番重要であり、何を追及しても、ほどほどにしておくべきだ。分不相応な物を手に入れても、時に周りから見れば滑稽なだけである。

林清玄

「明心ネットより転載」

 

関連記事
昔々、天地ができる以前、宇宙には巨大な卵形の物体だけがありました。
伝説の英雄たちは、特殊な力を備えた武器を持っています。ギリシャ神話のゼウスは雷霆(らいてい)、アーサー王は魔法の剣、トールはハンマー、そして孫悟空は如意棒。さて、孫悟空はどのように如意棒を手にしたのでしょうか。
「昔から、天下の大勢は長く分かれていれば必ず一つになり、長く一つであれば必ず分かれるという」―『三国志演義』冒頭
アブラナ科の野菜は、その脳卒中の予防効果で知られていますが、研究者は、一部の人気が低い野菜が脳卒中のリスクを低減し、さらには脳卒中症状を逆転させるのに役立つ可能性があることを発見しました。
あなたが悩んでいるときに、話を聞いてくれる友人や家族はいますか? 自分の心の中を誰かに話すのは恥ずかしいと思っていませんか? 誰かに話を聞いてもらうことで、脳の認知機能の低下を防ぐことができるという研究結果があります。