湖南省で偽粉ミルク出回る 赤ちゃんが「くる病」で入院=報道
中国メディアはこのほど、湖南省郴州市永興県で偽粉ミルクを飲んだ乳幼児数人の頭蓋骨が異常に大きくなったと相次いで報道した。
中国紙「新京報」や「湖南経済電視台」などによると、問題の粉ミルクの被害者となった乳幼児は5人。乳幼児らは「大きな頭の人形」のようになったほか、ビタミンD不足や代謝異常で骨の石灰化障害が生じる「くる病」に罹ったことがわかった。
報道によると、乳幼児らは病院の健診で牛乳アレルギーと診断され、医師が保護者に、アミノ酸を含むアレルギー用の粉ミルクを提案したことが発端だった。
保護者らは地元のベビー用品店の店員の薦めで、湖南省健康食品メーカーが生産した「倍氨敏」ブランドの特殊粉ミルクを購入した。保護者は当初、このアレルギー用粉ミルクの外装に書かれた「固体飲料」との表示を疑問視したが、店員は問題はないと強く主張した。
乳幼児らはこの粉ミルクを飲み始めてから、湿疹、体重の増加の停滞、頭蓋骨の変形などの症状がみられた。さらに、子どもが手で自分の頭をたたき続けるという異常な行動もあった。報道によれば、問題の粉ミルクは単なる固体飲料で、牛乳アレルギー用粉ミルクではないという。
中国世論が非難を強める中、永興県党委員会宣伝部は12日夜に声明を出した。声明によれば、ベビー用品店が、生産メーカーの湖南唯楽可健康産業有限公司から仕入れた47個の偽粉ミルクは全部販売されたという。
新京報5月13日付は、同社は昨年半ばに「倍氨敏」の生産を停止したと報じた。
また、同社の担当者は中国メディア「澎湃新聞」の取材に対して、「倍氨敏ブランド製品は品質基準を満たしている。商品の外装に固体飲料との表示があるから、過大宣伝はしていない」と主張した。
郴州市では昨年も、牛乳アレルギー用粉ミルクによる乳幼児の健康被害が報道された。10人以上の保護者が今年3月30日、地元当局に公開書簡を送った。保護者らは、「郴州市児童医院の医師が提案した『舒児呔』ブランドのアレルギー用粉ミルクを飲んでから、子どもの頭蓋骨が異常に大きくなった」とし、専門家チームによる乳幼児らへの検査・治療などを求めた。
中国では、過去10数年間、偽粉ミルク事件が相次いで発生した。2008年、メラミンが混入された粉ミルクを飲んだ乳児らが、腎結石などの健康被害を受けているニュースが国際社会に衝撃を与えた。これによる被害者は少なくとも29万人、死亡者は6人だ。
(翻訳編集・張哲)