世界の二酸化炭素排出量、コロナ封鎖で今年は最大7%減も=研究
[ロンドン 19日 ロイター] – 今年の全世界の二酸化炭素排出量が、新型コロナウイルス感染拡大に伴う規制や社会的距離(ソーシャルディスタンス)政策により、最大7%減少する可能性があるとの研究報告がネイチャー・クライメート・チェンジ誌に掲載された。
研究は、欧州・米国・オーストラリアの研究所の科学者チームが実施。毎日の電力使用データと移動追跡データを利用し、米中など世界69カ国で1日の二酸化炭素排出量を分析した。
研究によると、2019年の1日当たり二酸化炭素排出量は、化石燃料の燃焼とセメント生産で、1億トン前後。
一方、今年4月初めの排出量は、1日当たり8300万トンで17%の減少となった。封鎖のピーク時には一部の国で平均26%の減少が見られた。
6月半ばまでに流行前の状況に戻った場合、2020年通年の排出量は前年比で4%減少する可能性があるとみられている。ただ、世界的な封鎖が年末まで続けば、排出量は7%減少する可能性がある。この場合、単年の絶対排出量としては第二次大戦後で最大の減少となる。
昨年発表された国連報告では、気温上昇を2度未満に抑制するには年間の排出量を2.7%、1.5度未満にするには7.6%削減する必要があるとしている。
研究報告の主執筆者である英イーストアングリア大学のCorinne Le Qur氏は、「封鎖はエネルギー使用と二酸化炭素排出を劇的に変化させた。ただ、経済・交通・エネルギーシステムの構造変化が反映されているわけではなく、この極端な減少は一時的である公算が大きい」と述べた。
4月に減少が最も多かったのは中国、次いで米国、欧州、インドとなった。
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