中国のWHO拠出増、世界の損害に比べ「わずか」=米国務長官

[ワシントン 20日 ロイター] – ポンペオ米国務長官は20日、新型コロナウイルス流行が引き起こした損害を踏まえれば、中国がコロナ対応に向け拠出を表明した20億ドルは「微々たる」支援にすぎないとの見通しを示した。

中国の習近平国家主席は今週、同国の初動対応について透明性を持って迅速に情報を共有したと主張。さらに、主に途上国のコロナ対策を支援するため向こう2年間で20億ドルを拠出する方針を示した。

ポンペオ長官は習主席の主張に否定的な見方を示し、中国政府は引き続きウイルスのサンプル提供や施設へのアクセスを拒み、新型コロナを巡る議論を検閲するといった行動に出ていると非難した。

中国が示した20億ドルの拠出方針については「中国がコミットメントを全うすることを期待する」と述べた。

その上で「3月以降、新型コロナ流行によって米国人約9万人が命を失い、3600万人超が職を失った。世界では30万人が死亡した。われわれの試算では中国共産党の失敗による損害は最大9兆ドルに達する可能性がある」とし、「世界が背負わされたこれらコストに比べれば、中国のパンデミック対応への寄与はものにすぎない」と強調した。

また、新型コロナ発生源を巡り国際調査を呼び掛けたオーストラリアに対し、中国が「経済的報復」をもってけん制していると批判したほか、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長については「パンデミック発生前から中国政府と普通ではないほどの緊密な関係を持っており、極めて懸念される」と述べた。

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