豪政府が外国投資法を大幅改定、安全保障上のリスクに対応
[シドニー/香港 5日 ロイター] – オーストラリア政府は5日、約50年ぶりとなる大幅な外国投資法の改定を発表した。2021年1月1日からの施行を目指す。安全保障上のリスクが生じる場合、事業売却を命じる権限を政府に与える内容などが盛り込まれている。
フライデンバーグ財務相によると、民間・国有企業からの投資、投資規模にかかわらず、慎重に扱うべき資産に対する海外からの投資はより厳しい審査の対象となる。
財務相は「技術は進歩し、わが国の地政学的環境は複雑になった。世界的に海外投資が純粋に商業目的ではなく戦略的な目的に使われる事例がみられる」と説明した。
大きな変更として、外国投資審査委員会(FIRB)が承認済みの案件でも、今後財務省は条件変更や売却を命じる最終的な権限を与えられる。
モリソン首相によると、法令遵守も強化され、対応に向け予算措置も講じられる。
財務相は安全保障上の審査対象となる分野について具体的に言及しなかった。ただ、通信、エネルギー、公益事業、防衛サプライチェーン、安全保障・国防上で非常に重要と考えられるデータを保管・保有する事業が対象となる可能性を示唆した。
現在の法律では、2億7500万豪ドル(1億9080万米ドル)を下回る案件はFIRBの審査対象外。中国など自由貿易協定を結んでいる国の企業はこの基準が12億豪ドルとなっている。
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