お茶をこよなく愛する中国の人々=四川省成都で(Getty Images)

乾隆皇帝とお茶

乾隆は清朝において在位60年という長寿を誇り、お茶をこよなく愛した皇帝としても知られている。当時乾隆が息子の「皇十五子」(後の嘉慶帝)に皇位継承することを決定した時、大臣らは「国は一日たりとも君主を無くしてはならぬ」と忠言した。すると乾隆は微笑みながら茶飲みを手にし、「君主は一日たりともお茶を無くしてはならぬ」と返した。

 乾隆は非常に旅行が好きで、在位中に、幾度か江南を歴訪し、数々の茶事に関する物語を残した。

 ある時、乾隆は江南を私服視察するために訪れた。途中で茶屋を通りがかり、乾隆はむしょうにお茶が飲みたくなった。店に入り、店員の接客を待てずに、自ら自分と部下にお茶を入れ始めた。皇帝が部下にお茶を入れるのは前代未聞なことで、更に部下達は乾隆が私服視察中なので、宮中の礼を捧げることもできない。侍従たちは大変恐縮に感じ、どう対応すれば良いのか分からず困り果てていた。そのとき、1人の侍従が良いアイディアを思い付いた。彼は中指と人差し指を曲げ、乾隆に向けてテーブルを軽く叩いたのだ。これは両ひざでひざまずく意味で、皇帝に礼を表したのだった。これを見た乾隆は笑いながら頷き、大変気に入った様子だった。

▶ 続きを読む
関連記事
紀元前6世紀のアテナイで、深刻な貧富の格差から生じた負債奴隷の危機を救った伝説の政治家ソロン。独裁を拒み、富裕層と貧困層の「共通の盾」として中庸を貫いた彼の法改革と、正義を重んじた生涯を解説
魚に含まれるオメガ3脂肪酸やコリンは、子どもの脳や行動の発達に関わる可能性があります。研究結果と注意点、食べやすくする工夫をあわせて紹介します。
その不調、実はストレスではなく神経のサインかも?闘争・逃走モードにとらわれた体が発する9つの兆候と、気づくためのヒントをやさしく解説します。
子どもに本物の芸術体験を――その第一歩は家庭から。日常の中で無理なく文化に触れられる8つのアイデアを通して、感性と好奇心を育てるヒントを紹介します。
ふとした笑いやユーモアが、気持ちを軽くし、人とのつながりを保つ助けになることがあります。ただし、その使い方には少し注意も必要なようです。