スイス中銀、政府のコロナ対応支出の穴埋めに反対=副総裁
[チューリヒ 23日 ロイター] – スイス国立銀行(SNB、中央銀行)のフリッツ・ツアブリュック副総裁は23日、新型コロナウイルス対応に向けた国および地方政府向けの支払いを増額し、予算の穴を補てんすることに異議を唱えた。同日付の独語紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥングのインタビューに答えた。
昨年、SNBは500億フラン(約528億ドル)に近い利益を出していた。今年は40億フラン超の利益分配を迫られている。これについて同副総裁は「もしSNBの利益分配をある特定の目的に紐付けし始めれば、政治的な意味を持つことになる。それは望ましくない」と述べた。
同副総裁は、金融政策では新型コロナウイルス感染拡大が経済に及ぼした悪影響を吸収できないとの立場を表明。「ここは財政政策の出番だ。財政政策手段がもう使えないとなれば、それは経済全体にさらに悪い結果をもたらす」と述べた。
今年、新型コロナ危機を受けた安全資産買い意欲の高まりでスイスフランは上昇圧力を受けており、SNBは外貨買い/スイスフラン売り介入の強化による対応を余儀なくされている。
その結果、SNBのバランスシートは9000億フラン超に膨張。米国から為替操作国に指定される可能性があるとの懸念も出ている。
同副総裁は、バランスシート拡大に限界はないとしながらも、米国と緊密に連絡を取り、スイスフラン高と同国の置かれた特殊な状況について説明を行っているとし、「近隣窮乏化政策ではない。通貨介入は、スイスのような小国が適切な金融条件を確保する上で不可欠だ」と述べた。
関連記事
韓国国会は27日の本会議で、 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の権限を代行する韓悳洙(ハン・ドクス)首相の弾劾だんがい訴追案を可決した。
中国人留学生は、物品はオンラインで購入されたものだった。防弾チョッキや対戦車用グレネードランチャーに類似した物品が押収され、ロシア刑法第226.1条(軍事装備の密輸)の容疑で起訴されている。
元米国海兵隊パイロットのダニエル・デューガン容疑者が、中共軍への違法な訓練を行ったとして米国に引き渡されることが決定。豪州当局は、彼の起訴と引き渡しを進めている
北極海と北大西洋の間にあるグリーンランド。トランプ氏は22日、デンマーク王国内の自治領である同島について、米国による管理と所有が「世界の安全と自由を確保する上で絶対に必要だ」と述べた。トランプ氏の発言の真意は?
アゼルバイジャンの首都バクーからロシア南部チェチェン共和国のグロズヌイに向かう途中の旅客機(搭乗者72名)が墜落したとロシアメディアが報じている。