英、香港市民の英市民権取得を確約 中英共同声明違反を非難

[ロンドン 1日 ロイター] – 英国のジョンソン首相は1日、中国による香港国家安全維持法の施行は1984年の中英共同声明の「明白で深刻な」違反と非難し、香港市民に対し英国の市民権取得に道を開くと表明した。

中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会は6月30日、香港国家安全維持法を可決。同法は反政府的行動の取り締まりに向け、国家分裂、政権転覆、テロ活動、外国勢力との結託の4種類の活動を犯罪行為と定め、最大で終身刑を科すもの。施行から一夜開けた1日は香港で同法に対する抗議活動が行われ、警察は催涙スプレーや放水銃でデモ隊の排除に乗り出した。

ジョンソン首相は議会で「香港国家安全維持法の施行は、(「一国二制度」を保障した)中英共同声明の明白で深刻な違反となる」とし、英国海外市民旅券(BNO)を保有する香港の市民による英市民権取得に道を開くという確約を英政府は順守すると述べた。

▶ 続きを読む
関連記事
宏福苑火災の発生後、警報システムや工事監督の在り方を問う声が強まっている。しかし、独立調査を求めた学生の拘束や大学内掲示の封鎖など、市民社会の活動に対する制限も目立ち始めた。火災対応を通じて、香港の統治や言論環境に変化が見られる
中共外交部の報道官が数日間にわたり、サンフランシスコ平和条約(1951年)の合法性を否定し、国際法上の効力を持つのはカイロ宣言とポツダム宣言であると強調したことが、国際社会や法学界で議論を呼んでいる。日中間で「台湾有事」をめぐる外交的緊張が高まるなか、事態は新たな局面に入った
物議を醸している英ロンドンにある中共の「メガ大使館」計画が、3度目の延期となった。イギリス政府は12月2日、この計画の審査期限を来年1月20日まで延長すると発表し、国家安全保障上の懸念が一段と高まっていることを理由に挙げた
浜崎あゆみの上海での公演がキャンセルされた後の行動に称賛が集まっている。中共政府の常軌を逸した日本への外交攻撃に巻き込まれたが、今回のトラブルはかえってチャンスを広げる結果となるかもしれない。
米下院が社会主義体制の弊害を非難する中、中国共産党からの離脱「三退」は4億5500万人を突破。宗教弾圧や権力集中への国際的懸念が強まる一方、中国社会では静かな体制離れが広がっている