非効率な石炭火力の休廃止で具体策検討、有識者会議で議論=梶山経産相

[東京 3日 ロイター] – 梶山弘志経済産業相は3日の閣議後会見で、二酸化炭素(CO2)排出量が多い非効率な石炭火力発電のフェードアウトに向けて、より実効性のある新たな仕組みを導入するために検討を始めると述べた。今月中に有識者会議を設置し、議論を開始する。

新たな規制的措置の導入、安定供給に必要となる供給力を確保しつつ非効率石炭の早期退出を誘導するための仕組みの創設、再生可能エネルギー導入を加速化するような基幹送電線の利用ルールの見直しなどの検討を進める。梶山経産相は「どういう経過措置が必要なのか、どういう誘導策が必要なのか、規制や税でどういうものが必要なのか。あらゆる条件を排除せずに検討していく」と述べた。

18年度の石炭火力発電の全電源に占める割合は32%。エネルギー基本計画では、2030年度に26%にする目標を掲げている。このエネルギー基本計画には「今後、高効率化・次世代化を推進するとともに、よりクリーンなガス利用へのシフトと非効率石炭のフェードアウトに取り組む」と明記されている。

石炭火力発電については、昨年12月に開かれた国連の気候変動枠組み条約締約国会合(COP25)で日本も強い批判を浴びた。梶山経産相は「エネルギーのベストミックスのためには、ひとつひとつの電源について、放棄できるものではない。そういう中でいかに温暖化ガスの排出を少なくするかという取り組み。エネルギーミックスについては、現時点で考え方に変わりはない」としており、全廃を打ち出している欧州とは異なるスタンスをとっている。

火力発電については「調整電源や災害時の立ち上げ時の電源として重要」との考え方をあらためて示した。

代替のエネルギーについては「高効率の石炭火力もある。再稼働に向けて安全審査や整備をしている原発もある。CO2を減らすには、原子力発電もひとつの選択肢だと思う」と述べた。エネルギー基本計画では、2030年度に原子力が20―22%を占めることになっている。

また、石炭火力の輸出支援の要件については「今、議論しており、詰めの段階に来ている」とし、「現状よりも、厳格化に向けてはっきりとさせていく」と述べた。

*内容を追加します

 

(清水律子 編集:山川薫)

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