超希少、黒人とアルビノの双子を出産したフォトグラファーの母親が写真に込める思い
ナイジェリアとカナダ出身のジュディス・ヌコチャさんはベビーフォトを撮るフォトグラファーだ。自分に子供ができたときにも同じように撮影したいと考えていたが、実際に生まれてきた赤ちゃんは肌の色が違う双子の赤ちゃんだった。
長男のカミスくんは、ヌコチャさんの肌の色と同じように生まれてきたが、妹のカチちゃんはアルビノの遺伝を持って生まれたという。「初めてカチを見たとき、看護師が赤ちゃんを取り違えたのかと思ったわ。だってカチを見たら、白人の両親から生まれてきた子のように見えましたから」と出産当時の心境を語った。彼女の知る限り、家族の中にアルビノの遺伝子を持った人物はおらず、今回の出産を全く予想だにしていなかったという。
ヌコチャさんが双子を授かるまでの道のりは、8年にも及ぶ長い長い戦いだった。二回目の体外受精でようやく妊娠したが、初期の段階ですでにカチちゃんに異変があることが確認されていた。また、兄の半分の速度で成長しているにも関わらず、37週間目に帝王切開で取り出されてしまったカチちゃんは、これが原因で白皮症、つまりアルビノと診断されたのだった。
それからのヌコチャさんの心配は、カチちゃんへの、そしてアルビノであることへの差別であったという。現在はカナダに住んでいるが、母国のナイジェリアでは「アルビノ」は社会的差別の対象となっている。また、ヌコチャさん自身も肌の違う娘を受け入れるのに時間がかかったという。
肌の色は違えど、家族であることに変わりはない。「家族」とは必ずしも同じように見える者同士を意味するものではなく、同じ愛を共有することである。それを証明するため、ヌコチャさんは、双子をモデルに写真のプロジェクトを始める。
「現在、どれほど自分がユニークであることを理解しているかはわかりませんが、フォトグラファーであり母親である私にできることは、何があっても自分を愛せる人間になるよう教えていくことだと思っています」とコメント。
双子と一緒に外に出れば、あれこれいろいろな質問をされるというが、他人の考えに関係なく、ヌコチャさんは双子の両方を誇りに思っている。「娘はアルビノですが、カチは頭が良くて、個性的なんです。いつも自分が望んでいるものを知っていて、それに挑戦する勇気も持ち合わせているんですよ」と娘の成長を見守る。
今後、彼女がどんな写真を撮り続けていくのか、生涯を通して与えられた母親フォトグラファーとしての課題なのかもしれない。