米、中国総領事館は「最悪の違反ケース」 コロナ研究スパイか

[ワシントン 24日 ロイター] – 米政府高官は24日、中国が米国内の在外公館を通じスパイ活動など悪意ある行動に従事しているとした上で、同日閉鎖されるテキサス州ヒューストンの中国総領事館は「最悪の違反ケースの一つ」で、関与していた活動は「容認できる線を超えていた」との認識を示した。

国務省の高官は、ヒューストン総領事館の活動が中国の進める新型コロナウイルスワクチンの研究に関連していたと指摘。中国がコロナワクチン開発競争で首位に立ちたいという意志は極めて明確と述べた。

同高官は標的となっていた可能性のあるワクチン研究の詳細には踏み込まなかったものの、テキサス州には国立アレルギー感染症研究所の主要施設に相当するガルベストン国立研究所があり、同所ではコロナワクチンの研究が行われている。

米政府は今週、ヒューストンの中国総領事館閉鎖を命じた。米国の知的財産権と個人情報の保護が目的と説明していた。中国政府はこの日、対抗措置として、四川省成都市にある米総領事館の閉鎖を通知したと発表した。

司法省の高官は、いずれの国であれ領事館が一定の情報活動の拠点となっているという事実は受け入れるとしつつも、「ヒューストンの中国領事館の活動はわれわれが容認できる限度をはるかに超えていた」と語った。

同時に、領事館関係者には外交特権が認められているため、刑事責任の追及は容易ではないとの見方を示した。

同高官はさらに、当局が在サンフランシスコ中国総領事館に逃げ込んだ中国人研究者を拘束したと明らかにした。

法廷文書によると、この研究者はカリフォルニア大学デービス校に勤務し、米国ビザを不正に所得した疑いが持たれている。

司法省は前日、連邦捜査局(FBI)が国内約25都市で中国人民解放軍メンバーとみられる中国籍の米国ビザ保有者を聴取し、ビザに関する詐欺行為の疑いで3人を逮捕し、4人目が在サンフランシスコ中国領事館に逃げ込んでいるとしていた。

また、国務省高官によると、両国間の緊張の高まりに反し、中国側は引き続き、新型コロナ流行を受けて中国から退避した米外交官らの中国帰還を容認しているという。

関連記事
アヴリル・ヘインズ国家情報長官によると、北京は米国や世界の選挙に影響を与える能力に自信を深めているという。 2024年の選挙に対する外国の脅威に関する上院公聴会でヘインズ氏は、中共当局は人工知能とビッグデータ分析を通じて影響力作戦のツールを完成させていると述べた。
5月15日、CNNは声明を発表し、史上最初の大統領テレビ討論会が6月27日にCNNで開催されることを確認した。以前、前大統領ドナルド・トランプはその日の早い時間に大統領ジョー・バイデンの招待を受け、6月と9月に二つの討論会に参加することになった。
バイデン米国大統領は2024年5月14日、中共(中国共産党)の不公平な貿易実態に対抗するため、複数の中国製品に […]
米国の大統領選挙が再び注目を集めている。現職のジョー・バイデン大統領と前大統領のドナルド・トランプ氏が、6月2 […]
連邦準備制度理事会(FRB)はアメリカの中央銀行として、政策のあらゆる側面に口を出している。それでも、先週のFRBのプレスリリースは極めて奇妙だった。FRBが気候変動を管理できると思うか?FRBの支配は災いをもたらすだけだ。