武漢市、公務員のパスポートを没収、感染の内情漏えいに警戒
中共ウイルス(新型コロナウイルス)の発生源である中国武漢市の出入国管理局は、公務員らに対して、所持するパスポートを勤務先に渡すよう要求した。中国当局は、武漢市の感染の実態が海外に漏えいすることを警戒しているとみられる。
武漢市公安局出入境管理局は7月22日、市内の各政府機関、国有企業、軍関連施設などに対して通知を送り、「職員の私用旅券を集中管理し、保管するよう」命令した。通知によると、同措置は8月1日から実施する。パスポートを上司に渡さない、またはパスポートの取り消しを申し出ない公務員は、党規律検査委員会に通報される。同出入境管理局は7月27日、同通知をウェブサイトに掲載した。
武漢市の公務員、葉さんは「これから海外に行くとき、上司の許可が必要になる。パスポートを上司に渡さなければ、パスポートが即無効にされる」と大紀元に語った。
葉さんによると、公務員の出国禁止措置は7月前からあった。葉さんの父親も市政府の幹部であるため、「父は早々とパスポートを管理部門に渡した。今は、観光など個人の理由で海外に行けなくなった」。
葉さんによれば、政府機関や国営企業のほかに、武漢市の銀行で働く行員らもパスポートを取り上げられたという。
葉さんは「国内メディアは、この件についてあまり報道していないし、ネット封鎖もあるから、市民は、公務員のパスポートが没収されたことをほとんど知らない」とした。
「当局は、武漢市の感染拡大の実情を知る人が、海外のメディアに暴露するではないかと非常に不安になっている。だから、退職した元幹部にも、パスポートを渡すようにと要求するだろう」
中国語ネット掲示板「品葱」では、武漢市の政府幹部や公務員が、中共ウイルスまん延の内情を「多かれ少なかれ知っている」「すべての政府部門と国営企業が都市封鎖措置や臨時医療施設の建設に関わったからだ」などの声が上がった。
中国当局は、野生動物が売買されている武漢市の海鮮市場が中共ウイルスの発生源と主張している。しかし、武漢ウイルス研究所から中共ウイルスが漏えいしたとの説もある。欧米各国政府は、中国当局が当初武漢市での感染情報を隠したため、世界的な大流行を招いたと非難している。
武漢市公安局出入境管理局のウェブサイトでは現在、同通知は削除された。市当局が撤回したかどうかは不明だ。
(記者・駱亜、翻訳編集・張哲)