シエラ・グリーンリーさんの娘、アーヤちゃんは2018年3月22日に、1型糖尿病で亡くなりました。就学前の子どもには糖尿病の検査が行われなかったので、病気が発見できなかったのです。娘の死後、シエラさんは、死に至る可能性のある病気への意識を高めるために、ソーシャルメディア上で自身の体験談を共有するという勇気ある決断をしました。
「私の人生で最悪の出来事を皆さんと共有したいと思います。それはみなさんに同情してほしいからではなく、非常に重要だけれど、みなさんが知らない問題を知ってもらいたいからです」とシエラさんは投稿しました。
2018年3月22日、彼女は仕事を終え、アーヤちゃんの父親の家に娘を迎えに行くと、ベビーシッターが息をしていないアーヤちゃんを抱いていたのです。
「私は娘に駆け寄り、すぐに彼女を横に寝かせ、心肺蘇生を始めました。落ち着かないといけないと思ってはいましたが、できませんでした」とシエラさんは書いています。その後まもなく、救急隊員が到着しました。
「蘇生を試みてもらっている間、私は両親と主人に電話をしました。どうか命が助かるようにと祈りました。でも不思議にふと、この恐ろしい出来事を傍観している部外者のように感じることもありました」と書いています。
救急隊員はアーヤちゃんを蘇生させようと1時間奮闘しました。シエラさんとアーヤちゃんは病院に搬送されました。シエラさんはその時、悲しい知らせを聞きました。医者はできる限りのことをしてくれましたが、残念ながら、アーヤちゃんを蘇生させることはできませんでした。
「その瞬間、私は何も感じることができませんでした。空っぽの殻になっていました。それはもう想像を絶するショックでした」とシエラさんは振り返っています。
その30分後、医者から説明を受けました。アーヤちゃんの血糖値は500、アーヤちゃんと同じ年齢の子どもの正常範囲は1デシリットル当たり90~180ミリグラムで、医師はアーヤちゃんが1型糖尿病を患っていたと説明しました。
アーヤちゃんはその前の週に健康診断を受けていたのですが、亡くなった夜には糖尿病性の昏睡状態に陥ってしまいました。
母親の目からは、アーヤちゃんが糖尿病であるという兆候は見られず、家族にも糖尿病の人はいなかったそうです。
「糖尿病だと聞いて本当にびっくりしました。後々、健康診断では子どもは糖尿病の検査をしないことが分かりました。何らかの兆候があるまで検査はしないのです。ぜひ皆さんのお子さんに糖尿病の検査を受けさせてあげてください。小児糖尿病の兆候や症状を知って、見逃さないようにしてください。前回は13人の子供たちの命を救うことができました。もっと救える命を増やしていきましょう」とシエラさんは書いています。
メイヨークリニックによると、若年性1型糖尿病は進行が速いことが知られており、喉の渇き、多飲多尿、強い空腹感、体重減少、疲労感、イライラ、行動の変化などの兆候が見られます。
米国糖尿病学会(ADA)の報告によれば、約160万人のアメリカ人が1型糖尿病を罹患しており、そのうち18万7,000人が若い世代です。さらに、糖尿病は死因として正確にカウントされていない可能性があるそうなのです。ADA は、死亡した糖尿病患者の約 35 ~ 40% のみの死因が糖尿病とされているのに留まっているようです。
(大紀元日本ウェブ編集)
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