【紀元曙光】2020年8月3日
杜甫の名詩「岳陽楼に登る」を思い、胸がつぶれるほどの悲しみを覚えている。
▼昔聞く洞庭(どうてい)の水、今登る岳陽楼、呉楚東南に坼(さ)け、乾坤(けんこん)日夜浮かぶ、親朋一字無く、老病孤舟有り、戎馬(じゅうば)関山の北、軒に憑(よ)りて涕泗(ていし)流る。小欄の筆者は漢詩をこよなく愛好するが、それを生んだ、美しい風景の中国は、今はない。
▼1984年の春から夏にかけて、「地球の歩き方」を持ち、バックパックの一人旅で、初めての中国を体験した。まだ拝金主義に毒されていない頃の中国人は、日本から来たこの旅行者に親切で優しかった。殺人的な混雑の長距離列車の中で、わざわざ席を一つ空けて、立っている筆者を座らせてくれたときは、本当に夢かと思った。
▼以来、中国には留学や旅行で数回行った。今は、もちろん行かれない。ウイルスのリスクはともかく、大紀元のライターが行けば、国家安全法を振りかざす警察が亡霊のように取り憑いてくるだろう。たまったものではない。
▼長江三峡ダムの大放水で、安徽省を中心とする無数の町や農地が水没した。衣料品店を営む男性が、泥水にひたった商品を、泣きながら拾い上げていた。この世の地獄だが、中国当局は人災ではなく「天災」だと言い張る。理由は簡単で、「天災」にしておけば、救援物資にインスタントラーメンの数袋も配れば済むからだ。
▼中国共産党よ。これを「天災」というか。ならば先に教えるが、天地神明が激怒して起こす本当の天災の恐怖を、いずれ汝は、思い知ることになる。これは、まだ序の口なのだ。
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