【紀元曙光】2020年8月9日

(前稿より続く)「生に執着せず、死と親しむ」とは難しい注文であるが、確かに武士道の一面であるようだ。

▼禅宗の起源は中国だが、伝えられた日本で開花したといってよい。もっとも、禅宗の修行を積んで悟りを得られるかというと、これが至難のことで、司馬遼太郎さんも「10万人に一人ぐらいしか悟りを得られない」とどこかに書いていた。それほど禅宗というのは労多くして益少なしの宗旨らしい。

▼ただ、日本の武士には、精神修養としての禅が広く受け入れられた。もう一点、我が国で特筆すべきは、日本美術の世界で「禅の思想」が大輪の花を咲かせたことである。質素な茶室にも、虚飾を排した禅的な空間美があるといってよい。

▼そうした価値観は、中国人には理解しがたいだろうが、日本の武士の感性には非常に合致していた。同じく新渡戸が述べていることだが、神道の教義も武士道に付与しているという。神社の奥殿に掲げられている一枚の鏡について、新渡戸はこう記す。

▼「なぜ鏡だけなのか。これについては簡単に説明がつく。すなわち鏡は人間の心を表している。心が完全に平静で澄んでいれば、そこに神の姿を見ることができる。それゆえに人は社殿の前に立って参拝するとき、おのれ自身の姿を鏡の中に見るのである」。

▼いつしか日本人は、寺や神社に賽銭を投げ入れ、それを担保に欲深い願い事ばかりをするような民族になってしまったが、それは嘆かわしくはないか。せめて神仏を前に自身の努力を誓うほうが態度としては真面目で良いが、結果にこだわりすぎても執着になろう。その匙加減が、実に難しい。(次稿へ続く)

関連記事
ワクチン接種の普及とともに、さまざまな副作用が報告されています。最新の研究は、特定のCOVID-19(新型コロナウイルス)ワクチンが視神経脊髄炎を引き起こす可能性があることを再確認しました。この病気は失明、麻痺、さらには死亡につながる可能性があります。
認知障害患者の数は年々増加し、毎年の新規症例は約1,000万件に達し、特に65歳以上の人々でより一般的です。研究によると、日常的に摂取する3種類の飲料が脳の健康に悪影響を及ぼしており、これらの糖分を含む飲料を避けることが重要です。中医師は健康に有益な自然な茶飲料を自家製することを推奨しています。
ブレインフォグはCOVID-19の一般的な後遺症であり、最新の研究では、血液脳関門の損傷がその原因の一つであることがわかりました。 血液脳関門(Blood-Brain Barrier、BBB)は、脳血管内皮細胞と周囲の細胞から構成され、血液と脳の間の分子の出入りを調節し、中枢神経系を血液中の外部物質、ホルモン、神経伝達物質から守ります。血液脳関門が損傷されると、有害物質が脳に入り込み、中枢神経系の疾患を引き起こすことがよくあります。
甘くて心地よい糖分に慣れていると、糖を断つのは耐えられないでしょうか?糖を断った後の利点を考えると、それが絶対に価値があると思うでしょう。 「あなたの体は糖(加糖)を必要としていません」と、2型糖尿病の逆転に長期間注目している腎臓病専門の馮子新氏は大紀元のインタビューで述べ、糖を断った後、あなたの体には予想外の変化が起こると言っています。
このごろ、雨が降り続く中国各地では、雨上がりになると「危険な巨大カタツムリ」がたくさん出現しており、ネット上でも話題になっている。