中国臓器狩り問題、米国際宗教自由委員会が米政府に制裁調査要請
米政府機関である国際宗教自由委員会(USCIRF)は米国政府に対し、中国当局が法輪功の学習者を含む囚人を主な対象に行っている強制臓器摘出を全面的に調査し、関与した当局者、医師、機構に対し制裁を科す準備をするよう求めた。
中国で最近起きている疑わしい生体臓器摘出の件を受け、USCIRFのゲイリー・バウアー(Gary L. Bauer)委員は8月14日、大紀元の取材に対して、「中国当局が法輪功学習者を含む囚人から臓器を強制的に摘出し続けているという報道に、同委員会は強い懸念を抱いている」と述べた。
法輪功(ファールンゴン)とは真・善・忍に基づく佛法修煉法であり、過去21年間、中国共産党から厳しい迫害を受けてきた。
公表された中国医療データによれば、共産党による法輪功への迫害開始時期と、2000年から始まった中国の臓器移植産業の飛躍した時期が一致している。広州中山大学付属第一病院の何曉順副院長は、中国の週刊紙「南方週末」のインタビューで「2000年は中国の臓器移植の分岐点だった。2000年、全国の肝移植の数は1999年と比べ10倍に増え、2005年には3倍に増えた」と語った。
USCIRFのバウアー氏は、「米政府が正式な調査を行うことは、これらの乱用行為に対する認識を高められるだろう。また中国当局に臓器移植システムの透明性を高めるよう圧力をかける努力や動員を要求する」と述べた。また同氏は、米国国務省および財務省に対し、「強制的な臓器摘出を許可または参加した中国当局の官僚、医師、機構に対し、的を絞った制裁を科す準備を備えるべきだ」と提案した。
長年にわたり、国際社会は、中国当局による法輪功学習者を含む「良心の囚人」からの臓器強制摘出問題を指摘し、人道に対する犯罪を直ちに停止することを求める複数の議案を採択してきた。2016年6月13日、米下院は、「法輪功学習者を含む良心の囚人に対する『強制臓器摘出』を中国当局が直ちに停止することを要求する」決議案343号を、全会一致で可決した。
2019年6月、英ロンドンで開かれた、国際人道犯罪に対して第三者機関が裁量する「民衆法廷」は、「大規模な臓器摘出は長年にわたって中国で行われており、法輪功学習者は臓器の供給源の一つであり、また主要な供給源である」との最終判決を出した。2020年3月、同法廷は160ページに及ぶ書面報告書を発表し、「中国当局による臓器収奪が停止したという証拠はない」とし、国際的な監督の欠如により「多くの人々が恐れ、そして不必要な死を遂げている」と書かれている。
(大紀元日本語ウェブチーム)