子供が大人以上に感染広げる可能性、コロナ最新研究で判明

[20日 ロイター] – 新型コロナウイルス感染症流行のさなかに新学期を迎える米国では、対面式やオンライン式で学校が再開されつつあるが、これにより教師や家族の感染リスクが高まる可能性のあることが最近の調査研究で浮上している。子供が感染を拡大させるというのだ。

これまでの幾つかの大規模な研究では、感染した子供たちの大部分は大人より病気が軽いとされていた。子供が感染拡大に大きく寄与する強い証拠はないとの初期の報告もあった。しかし最近は、たとえ無症状であっても感染した子供たちがいかにウイルスを広げ得るかを示す研究が増え始めている。

マサチューセッツ総合病院・粘膜疫学生物学研究センターのアレシオ・ファサノ所長らの研究によると、感染した子供の気道内のウイルス量は、新型コロナで集中治療中の大人を大きく上回った。子供の年齢での違いはなかった。研究結果は20日の専門誌「ジャーナル・オブ・ペディアトリクス」に掲載された。調査対象はコロナ感染が疑われ緊急治療に入った0歳から22歳までの192人で、このうち49人は実際、ウイルス検査で陽性になった。

また、「JAMAペディアトリクス」に先月掲載された報告によると、新型コロナで入院した子供は、年長だと上気道のウイルス量は大人並みで、5歳未満になると量がもっとかなり多くなった。

ただ、専門家は子供が感染を拡大させる程度について矛盾するデータもあり、もっと広範囲な調査が必要だとも指摘する。

米国小児科学会の新型コロナの指針は19日、10歳未満は感染したりウイルスを広げたりする可能性が低いが、10歳からは大人並みに感染を広げる可能性があるという内容に改定された。

大半の子供は感染しても症状が極めて軽いため、流行の初期のころはおおむね、問題が見過ごされてきたとの反省も専門家から聞かれる。

米疾病対策センター(CDC)によると、3月1日から7月25日までに報告された大人の新型コロナ入院率は10万人に164・5人だったが、子供は同8人にとどまっていた。

学校再開問題についてオックスフォード大学のマシュー・スネープ教授は「慎重に進める必要がある」と述べている。

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