【紀元曙光】2020年9月7日

ハラール(ハラル)を厳格に遵守して、ムスリムは日々の生活をしている。

▼イスラム教の戒律について、小欄の筆者は十分な知識をもたない。ヒンドゥー教徒が牛を神聖視して牛肉を食べないことと、ムスリムが豚を不浄として絶対に近づけないこととは、その思考が根本的に異なる。豚肉だけではない。豚を調理したフライパンや包丁、料理をのせた皿までもが忌避の対象となる。食材から調理場に至るまで、全てがハラールに則したものでなければならないという。

▼日本人にとって、それぞれの信仰に基づくハラール食や菜食主義に徹している外国人の存在は、なかなか想像しにくい。そもそも信仰をもつことに意識が希薄な現代の日本人には、そうした人々への配慮は不足しがちになるからだ。

▼小欄の筆者が大学院生の頃なので、ずいぶん昔になるが、同じゼミ生の数人と外で食事をする機会があった。その中に、台湾からきた女性の留学生で、素食(菜食主義)の人がいた。お店に事情を話したところ、一人分だけメニュー外の料理をつくってくれた。食文化の違いに柔軟に対応してくれたお店が、ありがたかった。

▼話が、とんでもなく飛ぶ。イスラム圏から、複数のアラブ人が「ハラール肝臓」の移植を希望して、中国の病院に来ているという。それらの供給源は、主として新疆に居住するウイグル人である。当然、そこに「臓器狩り」の存在が濃厚になる。

▼アラブの金持ちの患者さんに、一言いっておこう。あなたの腹に移植された肝臓は、本当の「ハラール肝臓」とは限らない。向こうは、金さえ得られればいいのだ。

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