7カ月不明の市民ジャーナリスト陳秋実さん 友人が状況明かす「当局の監視下にある」

新型コロナウイルス中共ウイルス、COVID-19)が湖北省武漢で流行が始まった2020年冬。封鎖された都市に当時、単身で乗り込んだ市民ジャーナリストの陳秋実(ちん・しゅうじつ)さんは、現地の様子をライブ中継して、中国当局の感染症対応を批判した。陳さんは2月から行方不明になっている。武漢の情報を封鎖したい当局は、陳さんの活動を止めるために連行したとみられている。

陳秋実さんの安否はこの7カ月不明だった。しかし、最近、陳さんと交流のあった中国総合格闘技の選手「格闘狂人」こと徐暁東さんは9月17日、「彼は現在、健康な状態ではあるが、まだ当局の監督下にあり当面は起訴されない」と近況を明らかにした。徐さんは2月、いち早く陳さんの状況を公開していた。「強制的に隔離され、携帯は没収された可能性がある」と両親から得た情報として説明している。

17日午後10時頃、徐暁東さんは動画共有チャンネル・ユーチューブ(YouTube)で、陳秋実さんの近況について知る3つの情報を語った。徐さんによれば、陳さんは健康であり、不快感や病気も患っていない。しかし、陳さんはまだ中国当局の関連部門の監視下にあり、正確な位置は不明。おそらく武漢や河北ではないが、故郷にも戻っていないという。中国当局は、陳さんがかつて旅行した香港や日本などの海外関係を調査しているという。いっぽう、当面の間は彼を起訴しないことを決定した。徐さんは、情報の出所は伏せるとした。

弁護士やメディア活動も行ってきたという陳秋実さんは、今年の1月23日、市民ジャーナリストとして、中共ウイルスが蔓延する武漢に入り、現地の状況をカメラで中継したり、撮影した動画をウェブにアップロードしたりしていた。動画の中では「死ぬのは怖くない、共産党も恐れない」と訴えていた。

2月6日、陳さんは中共ウイルスによる肺炎の軽症患者を受け入れていた臨時医療施設・方艙医院の状況を確認のため「すぐに病院に行く」と言った後、連絡が取れなくなった。

武漢市の状況を外部に伝えたことで行方不明になった市民ジャーナリストには、他にも方斌さん、李澤華さん、張展さんがいる。

武漢市内で取材を続け音信不通となっていた市民記者のうちの1人の李澤華さん(25)は4月22日、自身の状態を説明する動画を配信し、「警察に拘留され、強制的に隔離されていた」と明かした。

張展さんの家族は6月19日に上海警察から「逮捕通知」を受け取り、彼女は浦東新区拘置所に拘束されているという。今月に入って米ラジオ・フリー・アジア(RFA)は彼女がハンガーストライキ(絶食)をしており、健康状態が悪いと報じた。

武漢市民の方斌さんは2月9日から連絡が途絶えて以降、いまだに行方がわかっていない。

(大紀元日本語ウェブ)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。