針で園児刺す 幼児教育大手傘下の幼稚園で虐待が頻発=中国
中国のA株式市場に上場している幼児教育大手として知られる「威創集團股份有限公司」傘下の鼎奇幼稚園では最近、「針刺し」事件が発生し、これまでに8人の園児の身体に針刺しの痕が見つかっている。中国の幼稚園では児童虐待やわいせつ行為などが頻発しており、世間に衝撃を与えている。
9月28日、内モンゴル自治区のフフホト市の鼎奇幼稚園に通う園児の保護者が「子どもの体に針の跡のようなものがついているのを見つけた」と警察に通報した。
中国メディアの報道によると、同幼稚園園児の保護者である劉さんは、9月26日夜、子どものおしりにはっきりとした針で刺された跡が三カ所あるのを見つけた。「幼稚園の先生に刺された、クラスの他の子も同じように刺されている」と子どもが話したという。
28日朝の時点で、合計8人の保護者が子どもの体と頭に正体不明の針痕を発見しており、同幼稚園の教諭3人が刑事拘束されたと報じられた。
中国企業に関する情報プラットフォーム「 天眼査」によれば、今回問題を起こした幼稚園は「內蒙古鼎奇幼教科教有限公司」が所有している。同社は2017年、中国最大の幼稚園数を誇る上場企業であり、幼児教育大手として知られている「威創集團股份有限公司」によって買収されていることがわかる。
「威創」は深セン証券取引所に上場しており、2015年に幼児教育事業に進出して以来、紅纓時代、金色搖籃、可兒教育、內蒙古鼎奇幼教科教有限公司などの幼児教育企業を続々と買収した。2018年には5513園という幼稚園数が最も多い上場企業となった。
「威創」傘下の幼稚園で頻発する児童虐待スキャンダル
これまでに、同社が所有する幼稚園では、児童虐待やわいせつなどの不祥事は今までにも何度も起きている。
2018年7~10月にかけて、同社傘下の「金色搖籃」(天津濱海新区)幼稚園で、複数の園児が針に刺され、職員5人が逮捕された。
2017年11月14日、同じく「金色搖籃」の別の園である北京亦莊分園で教諭は、円錐やドライバー、ハンマー、ナイフなどを用いて幼児を傷つけたり、園児に「卑猥な行為」を教えたりしたという。
2015年、「金色搖籃」の太原市迎澤区にある幼稚園の職員が、子どもを体罰したとして処分を受けた。そして同年11月にも、瑞昌市にある「金色搖籃兒童之家」(子どもの家)も処分を受けた。
威創傘下の幼稚園のほかには、北京紅黃藍幼稚園(新天地分園)、上海長寧区攜程親子園などでも児童虐待・わいせつ事件が摘発されている。
女の子を守る基金である中国少年児童文化芸術基金が発布した最新の調査データーによると、2016年に中国全土で報道された14歳以下の児童への性的暴行犯罪は433件で、1日あたり1.21件、そのうち92.42%の被害者が女児であることが明らかになった。
これらの数字は公に報告されデーターに基づくもので、氷山の一角と言われている。
(大紀元日本ウェブ編集部)