2017年1月26日、ジュネーブで記者会見を行うWHO事務局長候補、デビッド・ナバロ氏 (Fabrice Coffrini/AFP via Getty Images)

WHOが中共ウイルス対策のロックダウンの中止を要請

WHO(世界保健機関)のCOVID-19特使デビッド・ナバロDavid Nabarro)氏は、世界の指導者たちに対し、中共ウイルス(新型コロナ)の感染拡大に対する主要な対策法方として、ロックダウン都市封鎖)の使用を中止するよう求めた。

ナバロ氏は、10月8日に放送されたThe Spectatorとのインタビューで、「WHOでは、このウイルスを制御する主な手段として、ロックダウンを推奨しません」と述べた。「唯一ロックダウンが正当化できる時は、資源の再編成と再調整、そして疲れきった医療従事者を守るために時間を稼ぐ時ですが、概して、私たちはそうしたくありません」

ナバロ氏は、ロックダウンが世界中、特に貧しい人々の間で引き起こしている被害を指摘した。

「人々が休暇を取らなくなって、例えばカリブ海や太平洋地域の旅行業界に何が起きたかを見てください。市場が落ち込んで、世界中の小規模農家に何が起きたかを見てください。貧困レベルに何が起こっているか見てください。来年までに世界の貧困が倍増する可能性が十分にあります。子どもたちが学校で食事を取れず、貧しい家庭の親は食費を払えないため、栄養不良になる子供の数が少なくとも2倍になる可能性があります」とナバロ氏は話した。

「これは酷く恐ろしい世界的大惨事です」と彼は述べた。「ですから、私たちは世界中のリーダーに訴えます。主要な対策法としてロックダウンをやめ、より良いシステムを開発してください。一緒に働き、お互いから学ぶのです。しかし忘れないでください。ロックダウンには、決して軽視してはならない一つの結果しかありません。それは、貧しい人々をさらに非常に貧しくするということです」

ロックダウンに反対している科学者はナバロ氏だけではない。多くの医学者や公衆衛生学者、そして医療従事者が、「現在のロックダウン政策は、短期および長期の公衆衛生に壊滅的な影響を及ぼしている」とする「グレートバリントン宣言(Great Barrington Declaration)」に署名している。

署名者には、「Martin Kulldorff 博士(ハーバード大学医学部教授、生物統計学者、そして感染症の感染拡大の検出と監視、およびワクチンの安全性評価に精通した疫学者)、Sunetra Gupta 博士(オックスフォード大学教授、免疫学、ワクチン開発、感染症の数学的モデリングの専門知識を持つ疫学者)、そして、Jay Bhattacharya 博士(スタンフォード大学医学部教授、医師、疫学者、健康経済学者、そして感染症と脆弱な人々に焦点を当てた公衆衛生政策の専門家)」などがが含まれる。

同宣言では、「集団免疫を獲得する上で、リスクと利益のバランスを取る最も思いやりのあるアプローチは、死亡リスクが最も低い人々が普通に生活できるようにし、自然感染することによってウイルスへの免疫力を高め、より高いリスクを持つ人々をよりよく保護することである」と書かれている。

少数の例外を除いて、世界の首脳たちはウイルスの感染拡大に対応する際、中国共産党に追随する形で、前例のない厳重なロックダウンを行った。ロックダウンを行わなかったスウェーデンでは、規制を設けたいくつかの国や地域よりも死亡率が低かった。

米国では、ドナルド・トランプ大統領はロックダウン措置に関する決定を各州知事に委任した。最終的には少数の州を除いて、すべての州が何らかの規制措置を制定した。

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]