米国は中国共産党による臓器摘出疑惑の情報を収集中=米国務次官補
米国務省の民主主義・人権・労働担当のロバート・デストロ(Robert Destro)次官補は10月16日、国務省が開催したオンラインビデオ記者会見で、法輪功の迫害に関する質問を受け、「米国は中国共産党(以下、中共)による臓器摘出疑惑を検討し、関連する情報の収集を続けている。あらゆる人の情報や手掛かりの提供を歓迎する」と答えた。
記者会見で、台湾大紀元の記者は「ポンペオ国務長官とブラウンバック米国際宗教自由大使は、21年間続いた中共による法輪功への迫害について、懸念を表明した。その残虐行為の一つである強制的な臓器摘出に関して、米国務省はこれを阻止するために具体的な措置を講じるのか?」 と質問をした。
これに対し、デストロ次官補は、「(生きたまま)他人の肝臓を摘出するほど恐ろしい人権侵害があるとは想像もできなかった」とし、「われわれは現在進行中の報告があり、実際にその疑惑を調査した」「情報をお持ちの方は、ぜひ連絡をください」と答えた。
「この問題については、われわれは今後も引き続き情報収集をする。デストロ国務次官補が言ったように、われわれは国際社会に情報提供を呼びかけたい」と米国務省の人身売買担当大使リッチモンド氏は付け加えた。
法輪功は「真・善・忍」の原則に基づいた佛家の修煉方法であり、健康増進や精神面の調和に大きな効果がある。1999年7月、当時の江沢民指導部が法輪功学習者の数が党員の数を上回ることを恐れて、法輪功に対する全面的な弾圧を開始した。迫害は21年経った今もなお続いており、大勢の法輪功学習者が労働教養所や刑務所に強制収容され、拷問で亡くなり、臓器が移植用に摘出されるという被害も出ている。
2006年、中共が法輪功学習者を主な対象とする強制臓器収奪を主導していることが初めて報道され、それ以降、国際NGO(非政府組織)「法輪功迫害追跡国際組織(WOIPFG)」など、複数の人権団体や識者が独立調査を行った。
6月10日、米国務省は「世界各国の信教の自由に関する2019年版報告書」を発表した。報告書は、中共の臓器強制摘出に関する3つの調査と、2019年に臓器を摘出された疑いのある2人の法輪功学習者の事例を取り上げた。
法輪功情報サイト「明慧網」によると、20年以上にわたる中共による法輪功への迫害で、すでに100万人以上の法輪功学習者が失踪しており、同時に警察による法輪功学習者への強制採血の事例も後を絶たないという。
WOIPFGは、「法輪功学習者からの臓器摘出は、中共が主導する組織的な国家犯罪である」と指摘する報告書を発表した。
また、ニューヨークに拠点を置くNGO「中国臓器狩り研究センター」も2019年7月、米ワシントンDCの全米記者クラブ(National Press Club)で開かれた記者会見で、91ページにわたる報告書を発表し、中共による臓器狩りが「21世紀で最も恐ろしい人権災害の一つ」であると指摘した。
中国南京師範大学のロシア語学の元教授であり、現在、米国に住む中共の迫害を生き抜いた法輪功学習者、張玉華博士は大紀元の記者に対し、自分は2004年に南京の女性刑務所、2009年には江蘇省の女性労働収容所に不法に収容された。収容期間中に数回にわたり採血されたが、採血結果などは知らされなかった」と述べた。
張博士はさらに、「この種の採血は、拘留中の法輪功学習者のみが対象であり、通常の囚人は対象外だった」と付け加えた。
2016年6月22日、ワシントンDCで、調査報告書「血まみれの臓器狩り/ホロコースト:更新版」が発表された。
同報告書によると、中国の臓器移植件数は年間約6万~10万件で、2000~16年にかけての合計件数は150万件超と推定される。臓器の主な供給源は法輪功学習者であるという。
リッチモンド人身売買担当大使は16日のオンラインビデオ記者会見で、「臓器摘出は違法な人身売買の犯罪に分類される可能性があり、政府は人身売買を阻止するために法律を執行するが、しかし一部の政府(中共)自体、人身売買業者である」と指摘した。
(大紀元日本ウェブ編集部)