経済対策、成長軌道への回帰という新たな視点で対応=加藤官房長官

[東京 10日 ロイター] – 加藤勝信官房長官は10日閣議後の会見で、菅首相が指示した経済対策について、これまではいわば緊急避難的な対策だったが、今回はポストコロナに向けて成長軌道に経済を戻していくという新たな考え方で対応することを強調した。

規模感については「これからまさに議論していくことなので、現時点で申し上げる状況にはない」と述べた。来年度予算との15カ月予算とすることについては、3次補正と来年度予算を切れ目なく講じていくことで経済再生にしっかり対応していく趣旨だとした。なお緊急を要するものについては、現状で約7.3兆円の予備費の残額で対応するとした。

経済対策はコロナ対策、ポストコロナ時代に向けた経済構造の転換、防災・減災など3つの柱からなる見通し。そのうち、ポストコロナの経済構造の転換では、第1に地方でのデジタル基盤の改革支援やマイナンバーカードの普及促進などデジタル改革やグリーン社会の実現、第2に地域の中小企業の転換やサプライチェーン強靭化などの経済構造の転換、イノベーションによる生産性向上、第3として地方への人の流れなどを通じた地域社会雇用の民需主導の実現などの指示が菅首相からあったという。

加藤長官はまた、菅首相が12━15日に東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に出席する予定であることを明らかにした。ASEAN首脳会議はビデオ会議形式行われる。ASEAN10カ国、中国、韓国、米国、豪州、インドの首脳が参加し、新型コロナ、南シナ海問題、北朝鮮情勢など地域や国際情勢の喫緊の課題について意見交換が行われる予定。同長官は「日本としてはコロナ対策の地域協力や自由で開かれたインド太平洋構想の実現に向けて積極的に立場を説明していく」と述べた。

北海道でのコロナ感染拡大が顕著となる中、GoToトラベル事業からの感染拡大地域除外についてコロナ対策分科会の提言もあるが、加藤長官は北海道知事から感染状況について説明を受けた上で、「北海道除外を検討するという状況にはないと認識している」と述べた。

(中川泉 編集:青山敦子)

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