2016年2月13日、ワシントンの連邦最高裁判所と米国国旗 (Drew Angerer/Getty Images)

連邦最高裁、テキサス州の訴訟を却下 ジュリアーニ氏「地裁で再提訴の可能性も」

米国の最高裁判所は12月11日、4つの激戦州の選挙結果の認定を止めようとするテキサス州の訴訟を受理しない決定を下した。

最高裁の判事らは却下の理由について、テキサス州は他の州の選挙方法に介入する正当な利害関係を示していないため、憲法の下で訴訟を起こす法的地位または能力に欠けるとの見解を示した。関連する他のすべての動議も却下された。

訴訟の受理に同意したサミュエル・アリート判事とクラレンス・トーマス判事は声明で、今回の訴訟は上訴で上ってきた訴訟ではなく、最高裁にしか提出できないため、最高裁は審理する義務があると述べた。しかし、テキサス州の訴えを認めるべきだが、仮差止命令は認めるべきではないという訴訟の一部内容に反対する意見を示した。

2005年6月13日、ワシントンの連邦最高裁判所 (Mark Wilson/Getty Images)

トランプ陣営の弁護団を代表するジュリアーニ氏は米メディア、ニュースマックスに対して、最高裁の決定は「ひどい間違い」だと語った。

「最悪なのは、実質的に最高裁は『この問題に関わりたくない』と言っているようだ。彼らは訴訟の審議を行わず、アメリカ国民に事実を伝えたくないのだ」とジュリアーニ氏は述べた。

また、「最高裁が法的地位の欠如を理由に訴訟を棄却したため、大統領と一部の選挙人たちが同じ内容の訴訟を再び地方裁判所に提訴する可能性もある」と述べた。

「これらの問題は解決されない限り歴史に残るだろう。これらの事実は知られるべきであり、放送されるべきであり、誰かがその真偽を判断する必要がある。そして、どこかの裁判所が勇気を持ってその決定を下さなければならない」と彼は付け加えた。

トランプ陣営の法律顧問であるジェナ・エリス氏はニュースマックスに対し、地方裁判所で新たな提訴を起こすことを検討していると認め、「なぜなら、大統領自身に訴訟を起こす明白な権利があるからだ」と述べた。

2020年11月19日、ワシントンの共和党全国委員会本部で行われた記者会見で、郵便投票を手に持ちながら選挙訴訟について話すルディ・ジュリアーニ氏(Drew Angerer/Getty Images)

テキサス州のパクストン司法長官は最高裁の命令の直後に声明を発表し、この決定は「残念だ」と述べた。

「連邦と州の選挙法を守らなかった4州の合憲性を判断するこの訴訟を最高裁が却下したのは残念なことだ。私は今後も、我が国の選挙の誠実さと安全を絶えず守り、自らの都合で既存の選挙法を無視する者たちに責任を負わせる」とパクストン氏は述べた

テキサス州は12月8日、大統領選挙の公正さを守るため、4つの激戦州を相手取った訴訟を最高裁に提訴した。

テキサス州は訴訟で、4つの激戦州が州の選挙法を変更し、有権者を不平等に扱い、票の信頼性を確かめる措置を緩め、結果として大規模な不正行為を可能にしたことは、憲法に違反したと訴えた。

パクストン長官は、4州の選挙人団の投票を集計しないよう最高裁に求めていた。また、すでに選挙人を任命した州に関しては、憲法に沿って州議会に新しい選挙人の任命を指示するよう最高裁に求めていた。

2020年11月26日、サンクスギビングの日にホワイトハウスの外交室で話すドナルド・トランプ大統領(Erin Schaff-Pool/Getty Images)

トランプ氏と支持者らはこの訴訟に大きな期待を寄せており、大統領はこの訴訟を「大きな訴訟だ」と評し、最高裁に訴訟への介入(参加)を申請していた。トランプ氏は最高裁の命令についてまだ公式声明を出していない。

最高裁の決定の数時間前、トランプ氏はツイッターに「最高裁が偉大な知恵と勇気を示せば、おそらく史上最も重要なこの裁判で米国民が勝利し、われわれの選挙プロセスは尊敬を取り戻すだろう」と投稿した

19の州がこの訴訟への支持を表明し、6州が訴訟への介入を申請していた。一方、20の州が訴訟への反対を表明していた。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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