バイデン氏の国防長官人事、民主党内から懸念 文民統制巡り

[ワシントン 12日 ロイター] – バイデン次期米大統領の国防長官人事を巡り、退役から年数が浅い元軍人を充てることに上院軍事委員会の民主党メンバーから懸念の声が上がっている。

バイデン氏は2016年に退役したロイド・オースティン元中央軍司令官を新政権の国防長官に指名した。米国では文民統制の観点から、元軍人は退役後7年が経過しなければ国防長官に就任できないとの法規定があるため、オースティン氏の就任には議会が法律の適用除外を認める必要がある。

上院軍事委員会が12日に開いた聴聞会で民主党議員は、適用除外を認めれば過去4年間で2例目になることに懸念を示した。前回は2017年、トランプ政権の最初の国防長官に就任したジム・マティス氏に認められた。

民主党のブルーメンソル上院議員は「前例を重ね、新たな標準を作る恐れがあり、例外がルールを圧倒する危険が生じる」と警鐘を鳴らした。

6日に起きたトランプ大統領の支持者による議事堂乱入事件に言及する議員も見られた。

事件を受けて議会では、議会警察の応援に部隊を派遣するのに時間がかかった理由を調査するよう求める声が上がっているほか、事件後に起訴された過激派の中に元軍人が含まれていることにも懸念が出ている。

民主党のダックワース、ウォーレン、ブルーメンソル各上院議員は、退役軍人の国防長官就任に関する法律の適用除外に反対を表明し、ケーン上院議員は態度未定とした。

適用除外への反対は、民主党がオースティン氏指名に反対することを意味するわけではない。

現時点で上院軍事委員長を務める共和党のインホフ議員は、19日に予定しているオースティン氏の承認公聴会について、変更になる可能性があると述べた。

上院は、政権移行を円滑に進めるため新大統領就任前に委員会の承認公聴会を開くのが慣例だが、共和党が主導する現在の上院委は大半が日程を定めていない。

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