2012年10月21日、インドのアルナーチャル・プラデーシュ(Arunachal Pradesh)州の中印国境地域で警戒をしているインド軍兵士(BIJU BORO/AFP via Getty Images)

中印国境紛争、中国がインド領内で村を建設=印メディア

インドメディアの報道によると、中国当局は、中印国境紛争地帯のアルナーチャル・プラデーシュ(Arunachal Pradesh)州のインド領内に村を建設した。

同国のニューデリーテレビ(NDTV)は1月18日、米国に本部を置く衛星画像を提供する会社、プラネット・ラボ(Planet Labs)から得た情報を引用して報じた。

それによると、中国当局はアルナーチャル・プラデーシュ州で、ツァーリ・チュ(Tsari Chu river)川に沿って村を建設した。村はインドの実効支配線の内側にあり、実効支配線まで、わずか4.5キロ。村の中には101棟の家屋がある。居住者の人数は不明だ。

衛星写真では、村がある場所に森が広がっている。同地域はインドの実効支配の下にあるが、1959年以降は中国当局が実質上占領しているという。1年前まで、中国軍は同地域で哨戒チームを設置していた。NDTVは、現在この1000人が居住できる村が建てられたことに強い懸念を示した。

インドの国際問題研究団体、レッド・ランタン・アナリティカ(Red Lantern Analytica)の創設者、アブシャク・ランジャン(Abhishek Ranjan)氏は、アルナーチャル・プラデーシュ州の中印国境の地形の特徴は、昨年、中印両軍が衝突したラダック州と「大きく異なる」と大紀元に語った。

「アルナーチャル・プラデーシュ州には深く生い茂る森があるため、国境の境界線がはっきりしない。小さな川も多くある。このため、住んでいる人は少ない」

ランジャン氏は、「中国は軍事拡張を狙うため、このような辺鄙な森の中に村を作ったのだろう」と話した。

同氏は、中国当局は同地域で軍事拠点を建設する意図があると推測し、「表面上は村だが、実際は中国軍の駐屯地の可能性がある」とした。「他国の領土で101棟の家屋を建設したことは、明らかに大きな脅威である」と述べた。

インド外務省は18日に公開した声明で、インド政府は中国当局が中印国境地域でインフラ建設を「強化している」ことに気づいたと示した。声明は、過去数年間、中国当局が国境地域で道路や橋建設を進めていると批判した。

インド政府は、必要な措置を講じており、主権と領土を守っていくと示した。

(記者・VENUS UPADHAYAYA、翻訳編集・張哲)

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