アングル:北京で食品価格が高騰、旧正月と近隣省の封鎖で

[北京 21日 ロイター] – 中国の首都・北京で、豚肉や野菜など春節(旧正月)のお祝いに欠かせない食品の価格が高騰している。隣接する河北省で新型コロナウイルス感染抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)が実施され、物流が滞っているためだ。

中国では、2月11日から始まる春節の祝祭日に家族で食卓を囲むのが通例。このため市民は食料品の価格には特に敏感になっている。

昨年12月以来、例年にない低温が続き、北京では野菜の価格がすでに急騰している。冬の台所に欠かせない白菜は500グラムあたり2人民元(約32円)と、昨年の2倍。セロリやナス、大根の価格もほぼ倍になっているという。

卵や食用油も昨年より値上がりしている。豚肉も、生産拡大が図られたにも関わらず、ここ数週間で昨年と同水準の1キログラムあたり46元(約736円)に上昇した。

今年は当局が、新型コロナウイルス感染抑制のため移動の自粛を呼びかけていることから、春節の連休中も帰省せず都市部にとどまる住民が多いとみられている。

農業農村省は声明で「大・中規模都市での農産品の消費量は例年に比べ大幅に増大するとみている」と発表。ただ、供給は十分に確保されており、買いだめする必要はない、とした。

北京の自治体の当局筋は、市が主要な野菜の価格の安定を保証するとした上で、農産品を迅速に店頭に供給するよう要請した。

ただ、市民はまだ安心できていないようだ。短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」には「春節の連休中、帰省しないよう求めるなら、野菜の価格を統制してほしい。北京にいたら、春節に不可欠な餃子が食べられない」と嘆く声が投稿されている。

(Dominique Patton記者)

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