北朝鮮にとって対話は核開発推進の手段でしかない、米当局者指摘

[ワシントン 22日 ロイター] – 米政府の国家情報会議(NIC)の北朝鮮担当情報官、シドニー・サイラー氏は22日、北朝鮮は外交を核兵器開発を前進させるための手段としか考えていないとの見方を示した。

サイラー氏は米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)に対し、北朝鮮の兵器開発は過去30年間にわたり堅持されてきたと指摘。

「外交に携わるときは常に核開発を前進させる狙いがあった。核開発を脱却する方法を見いだすためではない。戦術の不明確さによってわれわれの北朝鮮に関する戦略の明確さが阻害されないよう訴えたい」と強調した。

「つまり、(金正恩朝鮮労働党総書記)が突如として明日対話を提案しても過度に期待を膨らますべきではなく、24日までにICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射があっても過剰に驚いたり、落胆すべきでもない」とした。

米国務長官に指名されたブリンケン氏は19日、バイデン政権では北朝鮮を核兵器を巡る交渉の席につかせるため圧力を強化する必要があり、同国へのアプローチを全面的に見直す意向だと明らかにしている。

ブリンケン氏は必要ならば北朝鮮への人道支援を検討するとの認識を示したが、サイラー氏は北朝鮮は人道支援に関心がないと指摘。

北朝鮮が開発を目指している武力は一部が野心的で何年もの時間を要するもので、孤立を求めているだけの国が必要とする武力をはるかに超えていると説明。「行動を起こさないことによる本当のリスクはそこにある」と警告した。

バイデン政権の国家安全保障会議(NSC)インド太平洋調整官、カート・キャンベル氏は就任前の先月、オバマ元政権による対応の遅れが北朝鮮の「挑発的」行動を引き起こし、対話を不可能にしたという失敗を繰り返さないためにも、バイデン政権は迅速に対北朝鮮政策を決定する必要があると述べている。

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