アメリカ版文革か 学校名から「ワシントン」「リンカーン」消える サンフランシスコ市教委が決定
米カリフォルニア州サンフランシスコ市の統一学区教育委員会は27日、「人種差別に関わった」として、学区内の公立学校44校の学校名からワシントンやリンカーンなど歴史人物の名前を除き、改名を決めた。同決定は歴史を抹消しようとするカウンターカルチャー運動だとの意見が出ている。
同委員会が今週投票を行い、賛成6票と反対1票で、「物議を醸す歴史人物の名前」にちなんだ学校名を廃止すると決定した。
委員会が出した声明では、建国の父であるジョージ・ワシントン、「独立宣言」に関わったジェファーソン大統領、奴隷制度を廃止したリンカーン大統領などの名前が使用禁止リストに入れられた。理由として、これらの歴史上の人物が「武力による制圧、人種差別、女性抑圧、社会進歩への抑制」に関わり、「人々のライフ、自由、幸福への追求に関する権利を低減させた」と挙げられた。
一部の左派組織は、ジョージ・ワシントンの父がバージニア州で農園を経営していた際、農園に300人余りの奴隷がいたと批判している。また、奴隷を解放したリンカーン大統領について、「黒人を白人と同等に扱わなかったことがあった」と主張し、「人種差別主義者だ」と糾弾した。
米国民の中で教育委員会の決定を批判する声が上がっている。サンフランシスコ市のブリード市長は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染防止が学校の目下の急務であるとの見方を示し、反対する姿勢を示した。
昨年の夏以降、全米などで人種差別反対運動「黒人の命を大切に(BLM)」が広がり、抗議者らは店舗を破壊し、奴隷制度に加担したとして歴史上の人物の銅像や記念碑も破壊した。
米キリスト教団体Summit Ministriesの会長を務めるジェフ・マイヤーズ(Jeff Myers)博士は20日、新唐人テレビの取材に応じ、歴史を抹消しようとする「銅像の破壊」とSNS大手の検閲強化は「カウンターカルチャー運動」の現れだとの見解を示した。同氏は、カウンターカルチャー運動はマルクス主義に由来するとした。
「マルクス主義の1つの特徴は、レッテルを貼ることで反対意見を持つ者を排除することだ。彼らは、議論を許さず、強制的な手段で反対意見を『消す』のだ」
マイヤーズ氏は、マルクス主義の最終的な目的は、宗教に基づく欧米社会の価値観と世界観を破壊して取って代わることにあると示した。同氏は「なぜなら、伝統的な価値観はマルクス主義を広める上で、最大の妨げとなっているからだ」と述べた。
昨年、ウィスコンシン大学マディソン校のレベッカ・ブランク( Rebecca Blank)校長は、校内にあるリンカーンの銅像の撤去を望む一部学生の要求を拒否した。校長は、リンカーンのような偉大な人物を排除すれば、米国の歴史を語れなくなると指摘した。
中国共産党政権が1960年代から70年代まで行った「文化大革命」で、5千年を誇る中国の伝統文化は壊滅的な打撃を受けた。
(翻訳編集・張哲)