米軍、最新鋭駆逐艦を日本に配備 インド太平洋地域で強まる対中連携

米軍の準機関紙「星条旗新聞」によると、米軍最新鋭のミサイル駆逐艦ラファエル・ペラルタ(USS Rafael Peralta)」号は4日、横須賀港に到着し、第7艦隊に配属された。その背景には、緊張感が高まる東アジアに戦闘能力の高い部隊を配備するという米国の思惑があるという。拡張を続ける中国共産党政権に対しインド太平洋諸国は警戒心を強めており、合同軍事演習を通して連携強化を図っている。

ラファエル・ペラルタ号は第65隻目となるアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦であり、2017年に就役した。在日米海軍司令部によると、当該艦艇は最新のイージスシステムを備え、弾道ミサイル防衛及び対空・対艦戦闘能力を向上させている。艦名は、イラク戦争中に隊員を守るため自ら犠牲となった米海兵隊のラファエル・ペラルタ氏にちなんでいる。

ラファエル・ペラルタ号の第七艦隊への移籍は、最も作戦能力が高い部隊をインド太平洋地域に配属するというアメリカの国家防衛戦略の一環であるという。

米海軍は長年、主戦場であるアジア太平洋地域における戦力増強を望んでいた。2017年、当時米海軍提督だったスコット・H・スウィフト氏は星条旗新聞に対し、「日本における艦船の数に懸念を抱いている」とか。

第7艦隊のスポークスマンであるジョー・ケイリー中尉によると、横須賀には現在7隻のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦と3隻のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦、原子力空母ロナルド・レーガン号とブルー・リッジ号揚陸指揮艦が配備されている。

第7艦隊第15駆逐隊指揮官スティーブン・デモス大佐は星条旗新聞の取材に対し「ラファエル・ペラルタ号は、海軍で最も新しく、最も能力が高い艦船の1つだ」と述べた。「ラファエル・ペラルタ号のような艦船は地域の安全保障に対する我々の取り組みを示していると同時に、同盟国がインド太平洋地域で法の支配を維持するのに貢献している。」

強まるインド太平洋諸国の連携

インドとアメリカは、2月上旬に北インドのラージャスターンで大規模な軍事演習を計画している。インドメディア「The Tiems of India」が報じた。これはバイデン政権が発足後の初の軍事演習であり、インド太平洋地域におけるインドの役割を確認するとともに、アジア版NATOとも称される「クアッド」を強化する狙いがあるとみられている。

今回のアメリカとインドの合同軍事演習は、クアッド(日米豪印)で行われた合同海上軍事演習であるマラバール演習に続くものだ。マラバール演習は中国の拡張主義に対し、「自由で開かれたインド太平洋地域と規則に基づく国際秩序」を維持するというクワッド構成国の姿勢を示している。

演習に参加する米軍部隊は旅団司令部およびストライカー旅団から選出された大隊だ。インド側も歩兵旅団司令部および軽歩兵の大隊が演習に参加する。インド軍の将校によると、今回の演習目的は「攻撃ヘリコプター及び歩兵戦闘車両の使用を伴う、半市街地・半砂漠地帯における対テロリスト戦闘の能力向上」である。

インドはまた、14日から27日にかけてグアムで行われる「シードラゴン」対潜水艦訓練にP-8「ポセイドン」哨戒機を派遣する予定だという。「シードラゴン」にはアメリカ、日本、オーストラリア、カナダも参加する。訓練の目的は「地域の不測の事態」に備えて参加国間の相互協調を強めるためだという。

(翻訳編集・文亮)

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