写真は2009年、ケンブリッジ大学のキャンパス。※同記事とは関係ありません(SHAUN CURRY/AFP/Getty Images) 

英私学17校、中国企業が買収 「金儲けのために親中になり過ぎた」

英メール・オン・サンデー紙は21日、パンデミックにより財政難に陥った同国の私学数百校が今、中国投資家の標的にされていると報じた。報道によると、少なくとも17校がすでに中国企業に買収されており、今後さらに増加する見込みだ。うち9校を買収した中国企業の創業者あるいはオーナーがいずれも「中国共産党の上層幹部」だという。

なかには、英国の学校買収は、世界で影響力の拡大を図る中国共産党の「一帯一路」戦略の一環であると公に宣言している中国企業もある。

故ダイアナ元妃が通った予備校までもが中国企業に買収されたという。

報道は、複数の英国学校を買収した中国企業「ブライト・スカラー・エデュケーション・ホールディングス(博實樂教育集團、以下はブライト・スカラー)に焦点を当てた。

資料によると、同企業の所有者は、2007年に20代の若さでアジア一の大富豪になった楊惠妍(ヤン・ホイジュエン)氏で、200億ポンド(約2兆9600億円)の資産を保有している。

楊氏の父親・楊国強氏は碧桂園(カントリー・ガーデン・ホールディングス)の創業者で、中共政治協商会議全国委員会の委員に任命されていた。ブライト・スカラーはカントリー・ガーデンの傘下企業でもある。

2018年以来、ブライト・スカラーはボーンマス・カレジエイトスクール(Bournemouth Collegiate School)、カーマーゼンシャーにあるSt Michael’s School校、ノーサンプトンにあるボスワース・インディペンデント・カレッジ(Bosworth Independent College)などの学校を次々と買収した。

また2019年7月9日、1.5億ポンド(約222億円)でケンブリッジ・アーツ&サイエンス(Cambridge Arts & Sciences College)を全額買収した。

ケンブリッジ・アーツ&サイエンスは、1952年に設立された大学予備コースと英語教育を提供する英国の専門教育グループである。同校は現在、英国、米国、カナダ、中国で7つのキャンパスを持ち、また英国、米国、カナダで国際語学学校10校を運営している。

同校の卒業生の多くは英国のトップ大学に進学している。

2018年8月31日の会計年度末時点のケンブリッジ・アーツ&サイエンスの財務状態は良好で、純利益は約8900万ポンド(約130億ドル)だった。

中国の不動産大手「万達集団(Wanda Group)」も英国の学校買収に加わった。同集団の王健林会長は中国軍とつながりを持っているとされている。王氏自身もかつて、第17回全国人民代表大会の代表と中国共産党中央政治局常務委員会のメンバーを務めた。

報道は、中国企業に買収された学校は、中国共産党が海外にイデオロギーを輸出する計画の一部になると指摘。「洗脳を受けている子どもの教育に政府が関心を向けるべきだ」と述べた。

「実際のところ、私たちの政府はお金のためにあまりにも長い間、親中になり過ぎた」報道は、数千万もの英国の子どもの教育の完全性が脅かされていると警鐘を鳴らし、英国の教育機関はこの問題を真剣に受け止め、緊急に対処しなければならないと呼びかけた。

(大紀元日本ウェブ編集部)

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]