北京の釣魚台ホテルでPCR検査の検体採取の準備をする防護服を着た医療従事者=2020年5月28日(Nicolas Asfouri/AFP via Getty Images)

在中米外交官、強制的な「肛門PCR検査」で不快訴え 米国務院「対策検討中」

中国当局は中共ウイルス新型コロナウイルス)の検出に「肛門PCR検査(以下、肛門検査)」を採用している。外国人も検査を受けるため、中国に駐在する米国の外交官らは「屈辱的で不快な経験」と米政府に苦情を寄せている。

ワシントン・ポスト紙は2月18日、独占入手した米外交官の議事録を引用して、一部の中国駐在の米外交官が、中国政府によって不愉快な肛門検査を受けるよう強制されたと報じた。

これに対し、米国務省は「外交関係に関するウィーン条約に基づき、米国の外交官の尊厳を守るために、すべての合理的な選択肢を評価している」と述べた。

肛門検査「ダメージが低く、屈辱感が高い」

中国当局は現在、北京や山東省など一部の地域で、感染者が確認された地域周辺に住むすべての住民や外国人訪問者に、鼻、喉、肛門のPCR検査と血清検査を同時に受けることを要求している。被験者が検査を拒否した場合は警察に引き渡される。

北京では1月18日から肛門検査が追加された。公式ガイドラインによると、被験者の肛門に専用スワブ(滅菌綿棒)を3~5cmほど挿入し、便を採取するという。

中国当局が肛門検査を採用する具体的な理由は不明だ。「精度や正確率が低い」という中国製検査キットの品質の悪さが原因ではないかと疑問視されている。

肛門検査は市民の反感を買っている。ネット上では「ダメージが低く、屈辱感が高い」と非難している。中国版Twitter「Weibo(微博・ウェイボー)」が行ったアンケート調査によると、8割の回答者が肛門検査を「受け入れられない」とした。

外交騒動

台湾の有力紙「自由時報」などによると、今年1月、北京を訪れた韓国人旅行客が、隔離先のホテルで肛門検査のためにズボンを脱ぐように求められた。ショックを受けた旅行客は北京の韓国大使館に助けを求めた。大使館の斡旋で、自ら便を採取して提出し、肛門検査を免れた。

韓国の市民団体が在韓中国大使館前で抗議行動を行い、肛門検査の廃止を要求した。また、「政府が自国民の屈辱に無関心だとすれば、それは芯まで腐っている。カン・ギョンファ長官(外相)も訪中すれば、肛門検査は必要になるのか?」と韓国政府の対応を促した。

ドイツ外務省も自国民に対して、中国に渡航する場合、数週間の隔離を求められるほか、器具の挿入が伴う医学検査に直面すると警告した。

(翻訳編集・王君宜)

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