宋王朝期に作られた陶磁器(Photo credit should read ANTHONY WALLACE/AFP via Getty Images)

淡泊になるには 嫉妬心を捨てること

修煉の文化には、人間にはそれぞれ定められた運命があると伝えられています。人生における全ての幸せと不幸せは定めがあり、富は前世で積んできた徳と交換してやってきたものです。嫉妬や不満のため、他人と争い、傷つけることは、自分の運命を変えられないだけでなく、罪業を造り、災いを招いてしまいます。ですので、人生においては、嫉妬心を生ぜず、淡泊に、寛大に過ごすことが百利あって一害なしなのです。

『宋史』には、このような人物の物語が記録されています。

宋の太祖皇帝である趙匡胤の重臣、呂余慶(リョ・ヨケイ)は、淡泊で寛大で、嫉妬しない有徳の士です。

同州の節度使として勤める太祖皇帝は、才能のある呂余慶のことを聞いて、朝廷に推薦し、定国軍掌書記に任命しました。その後、あちらこちらに転任する太祖皇帝の側には常に、呂余慶がおり、いつも太祖皇帝を助けていました。しかしながら、太祖皇帝は即位すると、趙普や李処耘を抜擢し、呂余慶を要職に就けませんでした。さぞ不満を抱えているだろうと思われる呂余慶は、かえって、全く気にしていませんでした。

その後、間も無く、李処耘は淄州に左遷されました。江陵から戻ってきた呂余慶に、太祖皇帝は李処耘のことについて詳しく尋ねました。抜擢された李処耘のことを全く嫉妬しない呂余慶は、理を持って、李処耘のために釈明し、太祖皇帝に納得してもらいました。そのようなある日、太祖皇帝の意思に反した趙普が、周りの者たちに排斥されましたが、呂余慶だけが趙普のために釈明をし、太祖皇帝の怒りを鎮めました。

このように、心のおおらかな呂余慶は、私心がなく忠実で、嫉妬心を全く持たないので、有徳の長者だと当時の人々に称賛されました。吏部侍郎として勤めていた呂余慶は、尚書左丞(しょうしょさじょう)に任命され、在職中にもおおいに功績がありました。

(翻訳・常夏)

(看中国より転載)

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