訓練中の中国人民解放軍(Photo by STR/AFP via Getty Images)

コロナ禍も軍事費は増加 人民解放軍は装備を大量配備=英シンクタンク

英ロンドンの防衛関連シンクタンク「国際戦略研究所(IISS)」は2月14日、2020年度の年次報告書「ミリタリーバランス(Military Balance)」を発表した。IISSの研究によると、中共ウイルス(新型コロナウイルス)が経済に大きなダメージを与えているにもかかわらず、全世界の軍事支出は上昇し続けている。特に中国人民解放軍は装備の新鋭化を進めており、各種装備の大量配備を行っている。

年報によると、中共ウイルスのパンデミックにより、世界経済は約3.5%萎縮した。いっぽう、2020年度の世界の軍事支出は1兆8300億ドル(約195兆円)となり、前年と同程度の伸びを維持した。米国の軍事費は7380億ドルと全体の4割を占める。2位は中国、3位はインド、4位は英国で、日本は8位だった。米国の規模は、中国の4倍、日本の14倍に相当する。

年報は、中国人民解放軍が「沿岸地域での優位性を獲得しようとしている」ことについて指摘している。中国人民解放軍は軍事力の増強が著しく、過去5年間にコルベット艦の数を2倍に増やし、現在では55隻保有するに至った。そのほかにも8隻目のType-055巡洋艦と、25隻目のType-052D駆逐艦が進水した。また、同じ数量の古い艦を淘汰していることから、近代化を図っていることが分かる。

▶ 続きを読む
関連記事
中共は7月31日、「国務院の出入国管理に関する規定」を発表。中共がまた「鎖国」に向かう強い兆候だとの見方も出ている
米空軍の中枢基地からわずか約21キロ。中国企業による工場設置計画に米政府が警戒を強める。米国の対米外国投資委員会(CFIUS)の議長は国家安全保障審査を要求、軍事施設周辺への進出を問題視。
中共軍の研究者がOpenAIやAnthropicなど米国の先端人工知能(AI)モデルを利用し、ドローン、サイバー戦、情報分析、戦術判断に使用できる中国独自のAIシステムを訓練していることが分かった 
米国土安全保障省は、中国企業43社をウイグル強制労働防止法のエンティティーリストに追加した。対象はアルミニウム、衣料品、綿花、トマト加工品などの関連企業で、掲載対象は187社・団体に拡大した
南シナ海をめぐる中国とフィリピンの対立が、学術や教育分野にも波及している。フィリピン国防省は、外国政府が支援する学術・文化事業への審査を強化し、中国共産党による認知戦や影響工作への警戒を示した