2014年10月29日、カナダ・トロントの公立学校教育委員会の前で、市民らは孔子学院の閉鎖を求めた(周行/大紀元)

米上院、「孔子学院法案」を全会一致で可決 「大学での言論自由守る」

米上院は4日、中国当局の対外プロパガンダ機関である孔子学院の米大学での影響力を取り除くための法案、「米大学への外国資金提供に関する懸念(Concerns Over Nations Funding University Campus Institutes in the United States)」を全会一致で可決した。

同法案は、キャンパス内に孔子学院を設置する大学に対して、大学側が孔子学院の活動、孔子学院が提供した資金、スタッフの採用などを独立管理することを規定する。違反した場合、大学は連邦政府の助成金の受給資格を失う。

孔子学院法案(CONFUCIUS Act)とも呼ばれる同法案は、共和党のジョン・ケネディ上院議員(ルイジアナ州選出)によって提出された。昨年6月にも上院で、全会一致で可決された。

ケネディ議員は4日の上院会議で、孔子学院は「(受講した学生が)ウイグルやチベット、香港、天安門事件についての発言を許していない」と批判した。また、議員が発表した声明で、「孔子学院はその名前を除いて、すべて中国共産党の支配下にある。彼らは学術の自由と言論の自由を平然と脅かすプロパガンダ宣伝機関である」と痛烈に非難した。

議員は、同法案によって米大学の孔子学院に対する完全な管理権を取り戻し、キャンパス内の言論の自由を守ることができるとした。

「孔子学院法案を下院でも可決し、大統領の署名に進めることを望む」と議員は同法案の成立に向けて下院議員に呼びかけた。

トランプ前政権は孔子学院の締め出しを強化していた。前政権は昨年、ワシントンDCの孔子学院米国センターを「外交使節団」と認定した。全米学識者協会(NAS)によると、今年2月17日時点で、米国内には少なくとも55の孔子学院がある。うち48の孔子学院は大学内に設置されている。また、2月17日まで、64カ所の孔子学院が閉鎖された、または閉鎖中となっているという。

上院の常設調査小委員会(Permanent Subcommittee on Investigations)が2019年に公表した報告書によれば、2006~19年まで、中国共産党政権は孔子学院を通して、米大学などに1億5800万ドル(約171億円)以上の資金を提供した。

一方、ユタ州下院は2日、州内のユタ大学とサウスユタ大学に対して、校内の孔子学院を閉鎖するよう求める決議案を可決した。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。