中国国営新華社通信はこのほど、カナダ議会報道協会(CPPG)の会員資格を喪失した(Shutterstock)

新華社通信、カナダ議会報道協会のメンバーシップを喪失

カナダ議会報道協会(Canadian Parliamentary Press Gallery、CPPG)はこのほど、中国国営の新華社通信が同協会の会員資格を喪失したと明らかにした。

同協会のキャサリン・レベスク(Catherine Lévesque)会長は声明の中で、「新華社は昨年、提出を義務付けられているメンバーシップ審査申請書を提出しなかったため、新華社および同通信社の従業員はCPPGのメンバーではなくなった」と明らかにした。

会長は、新華社が協会に再加入するには新しい申請書を提出しなければならないとした。新華社は1964年ごろ、CPPGに加入した。

同社の前身は紅色中華通信社で、1931年、江西省にある中華ソビエト共和国で設立した。1937年に現在の社名に変更した。1949年、中国共産党が政権を窃取した後、新華社は当局の主要代弁者として世界各国に進出した。

米国際人権団体、フリーダムハウス(Freedom House)は過去、新華社を含む中国当局のプロパガンダ宣伝機関は、国際社会における中国共産党のイメージ作り、反中国共産党の言論や当局および指導者らにとって不都合な報道への抑制をミッションにしていると指摘した。

国際社会は近年、中国当局による法輪功学習者への迫害政策や強制臓器収奪、チベット人やウイグル人住民への抑圧などについて批判を高めている。今年1月、欧州連合(EU)は、中国当局に対して、当局に拘束された香港民主派53人の早期解放を求める声明を発表した。新華社は直ちに反論記事を公表し、EUには中国の内政に介入する権利がないと主張した。

一方、米議会の米中経済・安全保障調査委員会(USCC)は2017年11月に提出した報告書で、新華社は情報機関と同様に、中国国内外での報道活動において収集した情報を最高指導部に提供しているとの見解を示した。

トランプ前政権は昨年2月、新華社など中国国営メディア5社を外交使節団に指定し、規制を強化した。

(翻訳編集・張哲)

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