全人代で香港の選挙制度について変更が行われた後、林鄭月娥・香港特別行政区行政長官は記者会見を行った(宋碧龍/大紀元)
【香港で強まる中国共産党の支配】

中国全人代が香港選挙制度を変更 日本議員連盟など反対表明

3月11日、中国の立法府である全国人民代表大会で、香港選挙制度を変更することが決定した。民主派を排除するために導入された「愛国者による統治」は、中国共産党による香港支配を強めるとして、国際世論の批判が集まっている。日本の議員連盟は16日、会合で全人代の決定を非難する声明文を発表した。また、米国のブリンケン国務長官も同日、非難声明を発表した。

全人代での改悪

全人代の決定で、香港政府のトップである行政長官と議会に当たる立法会の選挙に関する規定が変更される。注目すべき点は「愛国者による統治」という点だ。

香港の行政長官選挙は1人1票の直接選挙ではなく、各種職能団体や社会団体から選出された1200人の選挙委員会によって選出される。今回の法律変更では、選挙委員会の人数を1500人に増やすことや、立法会議員の定数を現在の70人から90人に増加することが定められた。

さらに、選挙委員や行政長官、立法会議員の候補者を、新設する「資格審査委員会」で審査する仕組みを導入するとも報じられている。これは候補者の資格について事前に審査を行い、不適格な立候補者を排除する仕組みだが、実際には中国共産党を擁護する「愛国者」以外を排除する狙いがあるとされる。

全人代の決定について、香港の林鄭月娥行政長官は「香港政府の統治の効率が高まる」と述べた。そして、反政府勢力を議会から除くことで社会が安定すると話した。

JPAC総会で声明

3月16日、JPAC(対中政策に関する国会議員連盟)は第6回総会を開催、識者を招き、現状のヒアリングをするとともに、中国共産党による香港の選挙制度の変更を非難した。

当日の会合に参加した東京大学の阿古智子教授は、香港の立法会について歴史的観点を交えつつ紹介した。阿古氏によれば、香港の立法会はイギリス植民地時代の19世紀中ごろにまでさかのぼることができ、長きにわたり香港の立法機関としての役割を果たした。

香港の中国返還後、香港の民衆は民主的な「直接普通選挙(普選)」を長年求めてきた。2017年の香港特別行政区行政長官選挙から1人1票の「普通選挙」が導入される予定だったが、中国の全人代常務委員会は2014年8月31日、候補は2、3人に限定すると決定し、民主主義の芽を摘んだ。近年、中国共産党政権の支配は強まるばかりだ。2019年の「逃亡犯条例改正案」と2020年の「国家安全維持法」により、香港は中国本土とますます似た環境になってきた。

阿古氏によると、今回の全人代での決定で、民主派の立ち位置はますます狭められていく。新設される「資格審査委員会」により「非愛国的」とみなされた立候補者は、事前に排除されるほか、1200人から1500人に増やされる選挙委員の増加分は、親中派に割り当てられるという。

JPACの声明文では、全人代で発表された香港の選挙制度の変更は、「非愛国者」との名目で民主派の被選挙権を事実上はく奪する狙いがあると指摘。中国共産党政権による香港の民主主義を弱体化しようとする動きは「一国二制度の維持を約束した中英共同宣言により保障された香港基本法に対する明らかな違反」であるとして、強く非難した。

そのうえで、2月28日に47人の民主活動家が国家安全維持法により起訴されたことで、民主化運動のリーダーの大多数が亡命や拘束されている現状に強く抗議し、釈放を求めた。

声明文では中国共産党政権の決定を非難するだけではなく、日本国政府に対しても以下の5つの要求を提示した。

  1. 中国に対し、人権や言論の自由などの規範を尊重するよう求めること
  2. 香港における人権弾圧の加害者を制裁し、日本版マグニツキー法を制定すること
  3. 危険にさらされている香港市民に、入管行政を通じた保護を提供すること
  4. 国家安全維持法違反に関する捜査共助の拒否を明言し、その他の捜査共助についても慎重な姿勢をとること
  5. 日米安全保障協議委員会(日米2+2)や首脳会談にて、中国の人権問題を取り上げ、人権外交を積極的に行うこと

ブリンケン国務長官 中国が義務を果たさなければ米国が対応

外遊で来日したブリンケン米国務長官は16日、全人代の決定を受けて声明を発表した。法律の改変は香港人に約束された高度の自治を損なうものであり、英中共同宣言にも違反しているとした。

「香港の安定と繁栄、そして人権と自由および政治的多様性に対する尊重は、香港と中国本土、そして国際社会のいずれの利益にも合致する」とブリンケン長官は述べた。「米国は同盟国やパートナーと結束し、香港人の権利と自由のために声を発する。中国がその義務を果たさなければ、米国が対応する」と中国を牽制した。

先進7カ国(G7)の外相も12日、今年のG7会議議長国の代表である英国発表の声明で、香港の選挙制度見直し決定は民主的な要件を損なうとして、重大な懸念を表明した。

(王文亮)

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