この商品は、大発明だと思います。
これまで、片手にミトンの鍋つかみ、もう片手にふきんを手にして、熱いものをひっくり返したこと数知れず。
忘れられない思い出といえば、夜中に思い立ってシフォンケーキを作ったときのこと。
シフォンケーキは焼き縮みを防ぐため焼き上がり直後に型ごと逆さまに返して空き瓶などの上に置いて冷ますのですが、その際火傷を恐れるあまり手元が狂い、あらぬところに丸ごとケーキを落としてしまったのでした。
衝撃でケーキはボロボロ。覆水盆に返らずならぬ、シフォンケーキ型に戻らず。。。やり場のない悔しさと共に、ひとり一夜を過ごしました。
「この軍手さえあれば、もうあんな失敗するまい。絶対この軍手でシフォンケーキを成功させる!!!」
二重軍手の開発担当者は私の向かいの席。企画の進捗をチラチラ覗き見しながら、数ヶ月前から勝手にそんな熱い思いを胸に秘めていました。
そんなことなのでいよいよケーキを作るとなるとあまりにも楽しみで、決行の2日ほど前から家で軍手をはめては家族に自慢し、魅力を語り、型を持ち上げ、イメトレしていました。
いざ作り始めると、思いがけず出だし早々大活躍。
最初のステップは卵黄と砂糖を湯煎にかけながら混ぜる工程なのですが、この軍手、熱くなるボウルをおさえるのにもちょうどよいのです。
レシピ本の手順には「軍手をはめて…」と書いてありましたが、普段からキッチンに置いてあるこの鍋つかみが軍手がわりになるなんて、なんだか得した気分です。
恐れていたオーブンから取り出す場面でも、両手が守られているのと指先が自由に動くことで、型をしっかり抱えて持ち上げられました。
無事、ケーキは空き瓶の上に着地。型の熱が手にほとんど伝わらないので、これまでよりも落ち着いて運ぶことができました。
おかげで今回のシフォンケーキは私史上最高傑作。
道具ひとつでこんなにも料理が楽しくなるとは、新発見でした。
これまで調理道具に特にこだわりのなかった私ですが、これからはおいしく作ることに加え、自分にとって使いやすい道具を見つけるという楽しみも料理と一緒に味わっていけそうです。
この二重軍手の鍋つかみは、記念すべき、私の相棒 第一号となりました。もっとおいしいシフォンケーキが焼けるよう、相棒とともにたくさん練習していきます。
編集担当 羽田
提供:中川政七商店の読みもの
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