【ほっこり池】三月の終わりに
東京の桜は、いま満開です。
思い出すのは「10年前の今」と「1年前の今」のこと。10年前の3月末も、東京の桜は例年通りに、悲しいくらい美しく咲いていました。東北の被災地はまだ寒く、夜間には氷点下の気温になって、おにぎりが凍りました。
1年前の今頃は、日本のコロナ拡大がいよいよ懸念されるなかではありましたが、具体的には今後どうなるか、どれほど深刻な局面になるのか誰も分からないまま、日々を過ごしていました。もちろん私も同様でした。「予定通りの日程でオリンピックが開催できる」。そんな淡い期待さえ、昨年3月の時点では、まだ人々の心にあったはずです。
人が思い描く「予定通り」には、とてもいかない。私たちは昨年、そのことを学びました。「10年かかる長期戦を覚悟する」のほうが、よろしかろうと思う昨今です。
(慧)
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