2020年7月17日、米ワシントンDCにある中国大使館の前で在米法輪功学習者らが抗議活動を行った(李莎/大紀元)

法輪功学習者の家族、父親の受ける迫害を語る

天津在住の男性法輪功学習者、白双成さんは長年、当局から嫌がらせを受け続けている。海外にいる白さんの娘・淑媛さんはこのほど、大紀元の取材を受け、過去10数年間、一家が受けた迫害について話した。また、淑媛さんは国際社会に対して、中国国内の法輪功学習者に関心を寄せて支持するよう呼びかけた。

学習者になったきっかけ

白双成さんと白さんの妻は、天津市国有企業、天津化工厰の従業員であった。白さんは同社の電力系統を担当していた。

1994年、まだ20代の白さんは、全身の関節が痛むという関節痛を発症し、手指の関節が腫れると手を使うことができなかった。病院で診察と検査を受けたが、原因が変わらず、有効な治療を得られなかった。病で精神的にも身体的にも苦しかった白さんは友人の紹介で、97年に伝統気功である法輪功を習い始めた。

淑媛さんによると、法輪功を修煉し始めてからしばらく経って、白さんの体調が良くなり、関節痛が徐々に消えた。元気になった父親の様子を見て、母親も精神的な負担が軽くなって、家族が笑顔を取り戻した。

法輪功は学習者に対して「真・善・忍」に基づき、道徳観の向上を求める。白さんは職場で勤勉に働いていた。電力系統は管理を怠ると、事故につながりかねない。白さんは複数回の爆発事故を未然に防いだため、上司から賞状を送られた。勤務先で白さんの人望に嫉妬した同僚にも白さんは大きな心で接していた。白さん夫婦は、困った人がいれば常に助けていた。

淑媛さんは、「父は家で良い夫、良い父だけではなく、職場でも近所でも評判が良かった。警察当局が自宅から父を連行した際、近所のおじさんやおばさんは皆憤り、警官に『なぜこんなに良い人を逮捕するのか? 警察は悪い人を捕まえるべきではないか』と問い詰めた。父の勤務先も、父を解雇した後でも、技術の問題について父に解決方法を求めていた」と話した。

不当判決と拷問

中国当局が1999年、法輪功学習者への弾圧政策を始めた。2002年8月、白さんと他の学習者は、市民に法輪功の無実を訴える資料を配ったため、地元警察当局に拘束され、3年の禁固刑を言い渡された。収監された天津市第一監獄(別名は梨園頭監獄)は死刑囚などを収容する重警備の刑務所だ。

北米にある法輪功情報サイト「明慧網」の報道によると、白さんと他の学習者は刑務所で、酷い拷問を受けた。朝から晩まで両手に手錠のような刑具を付けられ、立たせられた。1日立つと、膝の関節を曲げることができず、歩くのも一苦労。中には、両手に刑具を付けられたまま、40日間以上立たせられた人もいた。

法輪功学習者への拷問の1種。身動きを取れないように手足に手錠をかけて長時間座らせる(明慧網より)

また、同じ姿勢で長時間小さい椅子(高さ5センチ、長さ10センチ、幅5センチ)に座るという拷問も受けた。これも長時間座ると、臀部に炎症ができ、夜寝るときはうつ伏せになるしかない。臀部にかさぶたができても、翌日また同じ姿勢で座るため、傷口が広がって血だらけになることもあるという。

法輪功学習者に長時間小さい椅子に座らせる拷問(明慧網より)

淑媛さんは「父の上司は刑期が終わった父に、職場復帰の条件として、法輪功の修煉をやめるよう要求した。父は断ったので、結局解雇となった。一時期、私たち家族の生活は本当に苦しかった」と話した。

江沢民を刑事告発

2015年以降、中国国内の法輪功学習者は、法輪功弾圧を指示した江沢民・元国家主席を刑事告発するために、中国最高人民検察院(最高検)や地裁などに訴状を出している。淑媛さんと母親は、法輪功学習者の家族として訴状に署名した。

「江沢民が主導したこの弾圧で、多くの法輪功学習者の家庭が離散した。そもそもこの弾圧は憲法に違反した、違法行為である。この理不尽な弾圧を発動した江沢民は、法に処罰されるべきだ。江沢民を相手取り訴訟を起こすのは、中国国民の合法的な権利だ」と淑媛さんは述べた。

しかし、訴状は天津市当局に転送された。淑媛さんと両親は、当局から嫌がらせを受けるようになった。昨年、中国当局は各地の法輪功学習者への迫害と嫌がらせをさらに強めた。「毎日、警官らが自宅に来て、あるいは自宅に電話をかけて、父に法輪功の修煉をやめさせるよう脅迫するのだ。普通の生活を全く送られない。私たちの親戚や両親の勤め先の経営者も嫌がらせを受けている」という。

両親とともに苦難の日々を歩んできた淑媛さんは、「実際に最もかわいそうな人は、中国共産党に利用されて迫害に参与した人たちだと思う。彼たちは共産党に騙されて、真実を何も知らないままに犯罪に加担している」と嘆いた。

「彼たちが一日も早く目覚めるよう望んでいる。善悪の報いは影の形に随うが如し。中国共産党は狂暴に見えるが、長続きはしないだろう。中国共産党はまさしく人類を破滅に追い込もうとする邪霊だ。この2年間、中国共産党の振る舞いを見て、国内外ではますます多くの人がこの言い方を受け入れられるようになったと思う」

(翻訳編集・張哲)

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