大紀元エポックタイムズ・ジャパン

【歌の手帳】春の夜の戯れ

 春の夜の夢ばかりなる手枕(たまくら)にかひなく立たむ名こそ惜しけれ(千載集)

 歌意「春の短い夜に見る夢のように、小さなお戯れで、すっと差しだされたのは貴方の腕枕。実際、貴方に恋をしたわけでもないのに、きっと噂に立つであろう貴方と私の浮名が、惜しく思われますことよ」。何やら妖艶な雰囲気の一首のように見えますが、実は本当の男女の情愛の場面を詠ったものではなく「春の夜のお戯れ」なのです。

 作者は周防内侍(すおうのないし)平安後期の女流歌人です。どんな場面でこの歌を詠んだかといいますと、およそ以下の通りです。「旧暦2月(だいたい今の3月)月の明るい夜、二条院には多くのやんごとなき人が集い、物語りなどしながら楽しく過ごしていました。身分の高い女性は、もちろん御簾(みす)のなかにいます。周防内侍も御簾のなか。ふと眠気を覚えて、枕はないかしらと小声でつぶやくと、それを耳ざとくとらえた大納言(藤原忠家)が、では我が腕を手枕になされませ、と御簾のうちへ腕を差し入れた。なんというお戯れ。ならば、こちらも戯れ歌でお返し申しましょう、ということで詠んだ歌」。

▶ 続きを読む
関連記事
肩の痛みは「安静」だけでは回復しません。簡単な可動域テストで状態を確認し、急性期を過ぎたら軽い運動で自然な回復を促すことが、五十肩の予防につながります。
真冬は肺が乾き、腎が冷えやすい季節。脾を養い、気の上下を整える食事が大切です。ターメリックと魚介を使ったパエリアで、体の内側から冬の乱れを調えます。
毎日触れるスマホ、実は細菌だらけかもしれません。便座以上とも言われる汚れを、端末を傷めず安全に落とす方法を専門家が解説。間違いがちなNG清掃にも注意喚起します。
ドアノブで「パチッ」となる人は要注意。静電気は乾燥だけでなく、体の内側の不調サインかもしれません。水分補給や服選びなど、今日からできる改善法をわかりやすく解説します。
夜更かしは肌荒れや記憶力低下だけでなく、免疫や代謝にも影響する。中医学がすすめる4つの回復習慣を取り入れ、体への負担を最小限に抑える方法を紹介。